2018年06月18日
津田
信太郎
港湾空港局長
福岡市ヨットハーバーは、昭和49年8月に第12回全国高校総合体育大会のヨット競技が福岡市で開催されたことを契機として、昭和50年7月に開設したものでございます。以上です。
それでは、ヨットハーバーはどのような役割を果たしている施設なのか、お尋ねをいたします。
津田
信太郎
港湾空港局長
ヨットハーバーにつきましては、市民にヨットを通じて海洋性スポーツの振興と海洋思想の普及を図るための施設として設置しております。
ヨットの保管だけではなく、ヨット大会や市民を対象としたヨット教室の開催、学生ヨットの活動の場として、ヨット利用者やふだんヨットになじみがない方々もヨットを身近に楽しめる、そういうふうな施設となっています。以上でございます。
学生などのヨット利用者や、ふだんヨットになじみのない方々にも身近にヨットを楽しめる施設となっているということであります。
では、これから何点か具体的な利用状況についてお尋ねをしていきます。
まず、ヨットハーバーにおけるヨット大会、それとヨット教室、直近5年間の開催実績についてお尋ねをいたします。
津田
信太郎
港湾空港局長
まず、ヨット大会につきましては、全国大会や地元クラブ主催のレース大会など、ここ直近5年間の年平均で約45回、参加隻数は約2,400隻、参加人員は約1万1,000人でございます。なお、平成28年にはルイ・ヴィトン・アメリカズカップ・ワールドシリーズ福岡大会も開催されるなど、各種国際大会も開催されております。
また、ヨット教室につきましては、主に初心者や青少年、親子などを対象として、ここ5年間の年平均で約35回、参加人員は約500人となっております。以上でございます。
次に、学生ヨットの活動状況についてお尋ねをいたします。
津田
信太郎
港湾空港局長
ヨットハーバーにおける学生の活動状況につきましては、現在、大学、高校各6校の計12校が活動拠点として利用されております。このうち中村学園山陽高等学校ヨット部が平成28年度、29年度と2年連続でインターハイ優勝、また、日本経済大学が平成27年度に国体で優勝しております。
また、このヨットハーバーで活動していた学生が後にオリンピックに出場するなど、トップ選手の育成の場にもなっております。
さらに、ジュニアヨットクラブや市民ヨットクラブの活動拠点にもなっております。以上でございます。
小戸のヨットハーバーは、多くのヨット大会、ヨット教室が開催されています。特にルイ・ヴィトン・アメリカズカップのような世界的に知名度の高い国際大会を開催するということは、市の知名度も上げるとともに、ヨットに興味を持つ人たちの裾野の拡大にもつながるのではないでしょうか。
また、学生の活動の場として多くの優秀な人材を輩出していることからも、関係者から国内有数のヨットハーバーであると高い評価を受けていることだと思います。
そこで、お尋ねをいたしますが、ヨットハーバーにおいて、ヨット大会、ヨット教室が開催されていること、また、学生のヨットの活動の場となっていることの意義についてお示しください。
津田
信太郎
港湾空港局長
ヨットハーバーにおきまして、ヨット大会やヨット教室が開催されること、また、学生ヨットの活動の場が確保されることは、ヨットハーバー本来の設置目的である海洋性スポーツの振興及び海洋思想の普及の実現に重要な役割を果たしており、大きな意義があると考えております。
このため、ヨットハーバーの民営化後も最も重要な機能として継続していくことを考えております。以上でございます。
私は、学生ヨットの活動の場を確保し、ヨット大会やヨット教室の開催を続けていくことが非常に重要であると思います。今後、これらが民営化後も継続されることが確認でき、安心をいたしました。
さて、市の管理のもとでヨットハーバーが重要な役割を果たしてきたことがこれまでの答弁で確認されたところでありますが、では、なぜ民営化をする必要があるのか、お尋ねをしたいと思います。
ことしの2月議会で指定管理者制度の運営の限界ということが述べられていました。現在のヨットハーバーは指定管理者制度を導入されておられますが、指定管理者制度では何が課題なのか、お尋ねをいたします。
津田
信太郎
港湾空港局長
ヨットハーバーにおきましては、民間のノウハウを活用し、安定的な運営を実現させ、良質なサービスを市民に提供していくため、現在、指定管理者制度を導入し、一定の成果を上げてございます。
しかしながら、指定管理者制度では、施設の運営、維持管理が主となること、指定期間が5年間と限定的であることといった課題があり、市民の皆様の多様な海洋レジャーのニーズに応えられていない、あるいはレストラン、クラブハウスなど利用者の多様なニーズに応えられていないなど、十分なにぎわい空間の創出には至っておりません。以上でございます。
それでは民営化することで、その課題は解消できるのかお尋ねをいたします。
津田
信太郎
港湾空港局長
ヨットハーバーの民営化に当たりましては、貸付・売却併用方式を予定してございます。具体的には、浮桟橋や建物等については売却し、土地については長期間の貸し付けを行うことを考えております。
このような方式をとることにより、まず、事業期間が長期間となるため、長期的な視点で、にぎわいを創出する収益事業への投資が可能となります。また、民間が施設を所有することで、効率的かつ自由に改良や維持管理ができるなど、民間のノウハウが十分に発揮されることが期待されます。
このように民営化により、ヨットハーバーの効率的な事業展開と安定的な運営が期待できるため、マリーナ機能を維持、強化しつつ、恵まれたロケーションを生かしたにぎわい空間を創出することができるものと考えております。以上でございます。
収益事業における長期的視点での投資や民間のノウハウを生かした安定的な運営が可能となるといった考えはよくわかりました。ただし、民営化に当たっては、現在の利用者の方々にも十分配慮をする必要があります。
そこで、民営化に対するセーリング協会、学校関係者など、利用者、関係団体の意見は聞かれたのでしょうか。聞かれたとすれば、どのような意見が出たのでしょうか、お尋ねをいたします。
津田
信太郎
港湾空港局長
ヨットハーバーの民営化に対する関係者の皆様の御意見につきましては、これまで利用者との定期的な意見交換会や民営化に関する利用者説明会を実施した中でお伺いしております。
その中で、民営化に一定の御理解をいただいた上で、施設利用における安全性を確保するとともに、利用料等の急激な負担増加を抑制すること、また、ヨット教室の継続開催や学生ヨットの活動の場を確保することなどの御意見を頂戴しております。以上でございます。
日ごろからヨットハーバーを利用している方々が、民営化については一定の理解をされた上で、ヨットの利用環境の維持を希望されていることがわかりました。
私自身、民営化については理解するところでありますが、今後検討されていくに当たり、4点確認をさせていただきます。
まず、1点目でありますが、私自身は海洋レジャー用の船舶はたくさんの種類があるということは理解をしているつもりでありますが、市民の皆様にはわかりにくいかもしれません。ヨットハーバーの近くには西福岡マリーナがありますが、両施設の違いについてお尋ねをいたします。
津田
信太郎
港湾空港局長
まず、西福岡マリーナにつきましては、都市型マリーナとして民間により整備、運営されており、主にモーターボートを係留している施設でございます。
一方、ヨットハーバーにつきましては、ヨットの係留施設であり、学生ヨットの活動の場、ヨット大会やヨット教室の開催のほか、市民向けのイベントなどを実施しております。以上でございます。
次に2点目でありますが、従来のマリーナ機能に加え、追加すべき機能として、ロケーションを生かした集客事業を期待しているようでありますが、どのような事業を想定しているのか、お尋ねをいたします。
津田
信太郎
港湾空港局長
集客事業といたしましては、海と緑に囲まれる恵まれたロケーションを生かし、ヨットハーバー利用者のみならず、多くの市民の方々が気軽に集い、海辺に親しめる、にぎわい空間が形成される事業を考えております。
具体的には、海辺のバーベキュー広場、レストランやカフェの設置並びにマリンスポーツ用品のレンタル事業等を想定してございます。以上でございます。
今、局長が述べられたレストランやカフェなどが実現すれば、集客も期待でき、非常に楽しみであります。
3点目に、ヨットハーバーは小戸公園と隣接していることから、連携を考えておられるようですが、どのような連携が考えられるのか、お尋ねをいたします。
津田
信太郎
港湾空港局長
小戸公園との連携についてお答えします。
ヨットハーバーに隣接する小戸公園は、福岡市内でも有数の風光明媚な海岸線に面し、家族連れなど多くの方々に親しまれている総合公園でございます。
一方、公園には利用に一定の制限もございます。このため、ヨットハーバーと小戸公園との相互利用を図り、連携することで機能を相互補完することにより、両施設の魅力を向上させることが重要であると考えております。
公園管理者である住宅都市局と今後しっかりと協議を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。
今後、民営化を進めていく上で、ヨットハーバー、小戸公園双方の魅力を高める視点が大切だと思いますので、よろしくお願いします。
にぎわいづくりを進めていくことはもちろん重要でありますが、一方で本来のマリーナ機能をしっかり維持していかなければなりません。
そこで4点目として、民営化が実施された場合、マリーナ機能が適正に維持されるために、福岡市は今後どのようにかかわっていくのか、お尋ねいたします。
津田
信太郎
港湾空港局長
市とヨットハーバーの今後のかかわりにつきましては、現在のヨットの利用環境を維持、強化するために、例えば、市と事業者との契約において、事業者が利用者、地域、市との協議の場を設置すること、また、事業の履行状況についてモニタリングを実施し、市に報告することを定め、民営化後も市がしっかりとかかわっていくことを考えてございます。以上でございます。
民営化後も市がしっかりかかわっていくようにお願いをしておきます。
ここまでヨットハーバーの民営化に関する質問を行ってまいりましたが、現在のヨットハーバーは、学生ヨットの活動の場として、また、市民が身近にヨットを楽しめる施設として重要な役割を果たしており、これは民営化後も変わらないものと確認をいたしました。
さらに、民営化によるにぎわいの創出を目指されるということでありますので、ヨットハーバーの魅力が一層高まり、多くの市民が訪れることを期待しております。
今後、民営化に向けた具体的な検討が進められると思いますが、利用者の方々からの御意見を踏まえ、ヨットにかかわる者として3点要望をいたします。
1点目は、ヨットハーバーが果たすべき役割という観点から、学生ヨットの活動の場を確保していくこと。現在行われている国内外の大規模大会の開催に対する支援を行うこと。
2点目は、ヨットハーバーの利用者という観点から、現在の利用者の急激な負担の増加を避けること。ヨットの利用環境を守るために、施設ごとにモーターボートとヨットのすみ分けをきちんと行うこと。
3点目は、施設利用者や市民の方に安心して利用していただくためにも、利用者、関係団体から、また、地域からの意見を聞く場を設けるなど、誰もが使いやすいヨットハーバーとしていただくことであります。
これらを踏まえて検討を進めていただきますよう、よろしくお願いをいたします。
今後、福岡市はヨットハーバーについて、どのような将来像を持って民営化の検討を進めていくのかについてお伺いし、ヨットハーバーについての質問を終わります。
津田
信太郎
港湾空港局長
冒頭、議員が御自身の経験として魅力ある海辺空間に対する思いを述べられましたが、博多港港湾計画におきましても、中央区から西区にかけて連続してつながる海辺を海洋レクリエーションゾーンとして位置づけております。その中心に位置するヨットハーバーにつきましては、ヨット環境を今後も維持、強化するとともに、隣接する小戸公園と連携して、広く市民に開かれたにぎわい空間を提供し、市民サービスの向上を図る多機能型マリーナを目指すという理念をもとに、現在、民営化の検討を進めているところでございます。
また、にぎわい空間の創出による新たな集客は、将来的なヨット利用者の裾野拡大にもつながるものと期待しております。
以上のように、ヨット環境を維持、強化するとともに、ヨットハーバーににぎわい空間を創出することで、博多湾岸の魅力を一層高めてまいりたいと考えております。以上でございます。
私は学生時代からヨットで海に出る機会があり、今でも時折乗せてもらうことがありますが、沖合から博多湾の海岸線沿いを眺めると、東側は小戸公園、マリノア方面へ、西側は生の松原方面へとつながる一帯は、都市部でありながら、美しい海と緑に囲まれた自然豊かな空間が広がっており、その中心に位置している福岡市ヨットハーバーには大きなポテンシャルを感じるところであります。
また、地行浜から百道浜、愛宕浜へと続く海浜公園と、小戸、生の松原、今宿海岸まで連なる海岸線は多くの市民が訪れる憩いや癒しの場となっており、特にシーサイドももち地区は、海洋性スポーツ・レクリエーションの場として、年間160万人を超える人が訪れるにぎわいのスポットとなっております。
そこで私は、ヨットハーバーについても、現在のマリーナ機能をしっかりと維持しながら、恵まれたロケーションを生かした特色のあるにぎわい空間づくりを行っていくことが重要ではないかと考えています。
ヨットハーバーについては、平成30年2月議会において常任委員会に民営化の方向性が報告をされました。今回はこれを踏まえ、ヨットハーバーの今後について質問をしてまいります。
まず、福岡市がどのような経緯でヨットハーバーを設置することになったのか、その設立の契機についてお尋ねをいたします。