議会質問

保育園等での視力スクリーニング検査についての質問

2024年06月17日

人の視力は、個人差があるものの、8歳ぐらいまでに成人同様に発達すると言われていますが、仮に弱視の症状があるお子様でも、その発達前の段階で訓練をしておけば弱視の進行を防ぐことができるそうです。そのため、早期に病状に気がついて治療と訓練を受けることがとても重要であるという視点から、私は2年前にもこの件について質問として取り上げさせていただき、乳幼児健診における屈折検査の導入や保育園等における視力検査の実施などについて要望をさせていただきました。今回は、その後の検討状況などについて質問をしていきたいと思います。
 3歳児健診の視力検査においては、医師の診察のみでは診断が困難な視力障がいや子どもが見えている状況を正しく伝えられない場合がありますが、屈折検査では専用の検査機器を活用することで遠視や乱視、弱視等の視力障がいを客観的に調べることができると聞いております。
 2年前にお尋ねしたときは、3歳児健診のときには屈折検査機器による検査は行っていないという答弁でございましたが、現在は3歳児健診においてどのような視覚検査を実施しているのか、お示しください。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

こども未来局長

3歳児健診の視覚検査につきましては、事前に視力測定を家庭で行っていただいた上で、健診会場において医師による問診や診察を実施しており、令和5年9月からは新たに屈折検査機器による検査を導入しております。

私の前回の質問以降、屈折検査機器による検査を取り入れていただいているということで、まず、この対応に感謝を申し上げます。
 この屈折検査機器を導入したことにより実際に効果はあったのか検証したいと思いますが、それでは、屈折検査機器導入前の令和2年度から令和4年度までの3歳児健診における視覚検査の受検者のうち、精密検査が必要となった人数及びその割合をお尋ねします。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

こども未来局長

3歳児健診で視覚に関する精密検査が必要と判定された人数とその割合は、令和2年度432人、受検者の3.0%、3年度495人、3.8%、4年度474人、3.7%となっております。

年度によって若干の差はあるものの、視覚検査の受検者のうち、おおむね3%から4%程度のお子様が精密検査が必要とされていたということであります。
 それでは、屈折検査機器を導入した令和5年9月以降の3歳児健診で同じように精密検査が必要となった人数及びその割合をお示しください。あわせて、屈折検査機器導入による効果をどのように評価しているのか、お答えください。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

こども未来局長

屈折検査機器導入後の令和5年9月から令和6年3月の間に精密検査が必要と判定された人数とその割合は速報値で582人、受検者の7.9%となっており、屈折検査機器導入前と比べてその割合が増加していることから、導入により視覚異常の早期発見につながっていると考えております。

屈折検査機器を導入した結果、受検者における割合でおよそ2倍ものお子様が精密検査が必要となったということは、それだけ多くのお子様が早期発見によって早期の対応につながっていると言うことができると思います。従来の視力検査だけでは発見し難かったお子様を救い上げることができ、大変意義があるものと評価をいたします。
 同じように、前回質問時には保育園での視力検査についても要望しておりましたが、その後、何か検討は進まれたでしょうか。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

こども未来局長

認可保育園等における視力検査につきましては、福岡市医師会、保育園及び幼稚園の関係者で協議を重ね、令和7年度から4歳児クラスにおいて簡易視力検査の実施を徹底していくこととしております。

こちらについても、令和7年度から各保育園において簡易視力検査を行っていただけるということで、前向きに検討を進めていただき感謝を申し上げます。
 それでは、令和7年度から各保育園で実施される視力検査はどのような方法によるものなのか、お尋ねをいたします。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

こども未来局長

認可保育園等で実施する簡易視力検査の方法につきましては、福岡市医師会が推奨するランドルト環を用いた方法を参考として提示いたしますが、各園の判断によってはそのほかの検査方法を用いることも可能といたします。

ここで前回質問の際に紹介した一般社団法人みるみるプロジェクトの取組を改めて御紹介をしたいと思います。そして、質問以降に市内の4つの園にて計5回、視力検査を実施してもらいました。眼科医や視能訓練士が保育園等にてベビー・アイサイトという視力検査キットを使い、スクリーニング検査をいたします。前回も皆さんに御紹介しましたが、(現物表示)これが検査キットであります。周りに動物がおりまして、ウサギ、キリン、パンダ、ゾウがいまして、この検査をする前に必ず園児には絵本の読み聞かせをします。おなかが減っていてドーナツを食べたのは誰だということで、円が小さくて見えないかもしれませんけど、これはパンダが食べています。下が空いているということは、パンダがドーナツを食べましたというような形で園児に視力検査をします。
 まず、事前に練習用の絵本を使い読み聞かせをし、園児に検査内容をしっかりと理解させます。その後、訓練士が検査を実施し、園児1人当たり一、二分ぐらいで検査を終えます。検査結果は後日園に報告をされ、その後、保護者にフィードバックをされます。視力や屈折検査にて数値に異常がある園児には園から保護者に眼科受診を勧めます。そして、眼科での精密検査により治療が必要であるかどうかを診断されます。
 そこで、4園で行った検査データを紹介します。今回、5回検査をしまして、347人の園児に検査をされたそうです。そのうち約50%の167人に眼科受診の推奨をされたということです。その167人のうち実際に眼科を受診した園児は57人で、そのうち10人の園児が弱視と診断され、眼鏡を装着し、今治療を受けているそうです。検査ではスポットビジョンスクリーナーという機材を使い、屈折検査も実施をしているそうです。
 ここで検査を実施した園の園長先生、また、保育士の先生の感想を御紹介したいと思います。動物のストーリーがあるこのキットなら園児も回答しやすく、操作も簡単であった。事前の読み聞かせが重要で、ストーリーと検査が一体であることが大切で、100人いらっしゃったそうなんですが、検査が約1時間半ぐらいで終えることができたそうであります。眼科受診後、眼鏡の装用が始まった園児は表情が豊かになり、言葉がよく出るようになったと。眼科受診を勧めても嫌がる保護者がいらっしゃったんですが、受診をして弱視と判断をされ、子どもの問題が見つかって喜ばれていたということであります。また、弱視と診断された園児たちは日頃から落ち着きがなく、言葉が少なく、読み書きが苦手であったり、ボール遊びが苦手、何もないところでつまずいたりなど、日頃より保育士の先生たちはその特性に気づいていたそうです。今回、検査に協力してくれた園の園長先生や保育士の先生方と話をしていて、私は改めて実感をいたしましたが、子どもたちがどう見えているのか、どこまで見えているのかは周りの大人は分からないし、子どもたちも見えている、見えていない、その違いは自分では分からないし、そのことを大人にはなかなか伝えることができていないと。人が認識する情報の8割は視覚によるものと言われています。正しい情報を正しく認識すること、これが成長期の子どもたちにとってどれだけ大切なのかは皆さんも御承知であると思います。正しく見えることが子どもたちの健全な成長につながります。そこで、保育園においては各園で対応していただけるということでありますが、一方で、市内には保育園以外に幼稚園などに通われているお子様も多くおられると思います。
 そこでお尋ねをいたしますが、幼稚園などについてはどのように取り組んでいかれるのか、お尋ねをいたします。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

こども未来局長

幼稚園などにおける児童の健康診断は、運営指導を所管する福岡県において通知が行われていると聞いております。簡易視力検査の実施を徹底することについて、幼稚園などでも取り入れていただけるよう、福岡県や幼稚園連盟をはじめ、関係団体へ認可保育園等における取組を周知するなど、実施拡大につながるよう努めてまいります。

保育園や幼稚園において簡易ではあっても視力検査が実施されれば、3歳児健診以降の成長過程で症状が現れたお子様などの早期発見に結びつくことが期待されます。福岡市の子どもたちの目は漏れなく守っていただくためにも、7年度からの保育園等における簡易視力検査が着実に履行されますよう、しっかりと取り組んでいただくよう要望し、この質問を終わります。

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津田
信太郎

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