議会質問

博多港の未来展望についての質問

2015年10月13日

博多港はこれまで本市、ひいては九州・西日本の経済を支え、成長を牽引してきた。歴史をさかのぼれば、博多港は二千年も前から我が国と大陸との交流の窓口で、人、モノ、情報の行き交いがあり、これからも本市が成長し続け、ひいては日本の成長を牽引していくためには、長期的な展望に立って博多港の機能強化をすべきと考える。博多港の物流について、平成26年の国際海上コンテナ取扱個数を尋ねる。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

港湾局長

平成26年の国際海上コンテナ取扱個数については、約91万1,000TEUと初めて90万TEUを突破し、2年連続で過去最高を更新している。

90万TEUを超える国際海上コンテナを取り扱うコンテナターミナルの現在の稼働状況はどのようになっているのか。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

港湾局長

博多港においては、国際海上コンテナの約9割を香椎パークポートの2バース及びアイランドシティの2バースで取り扱っている。コンテナターミナルについては、順次、整備を進めているところであり、現在、奥行き350メートルで供用しているアイランドシティC2コンテナターミナルの奥行きを500メートルに拡張する整備を進めている。また、物流ITシステムの機能強化など、ターミナル運営の効率化を図っているところであるが、既存のコンテナターミナルは、岸壁、ヤードともに満杯に近い状況にあると認識している。

既存のコンテナターミナルが満杯に近い状況の中、さまざまな対策に取り組んでいるとのことだが、限界が近づいているのではないか。平成13年改定の港湾計画において、アイランドシティに位置づけているDコンテナターミナルの整備状況を尋ねる。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

港湾局長

Dコンテナターミナルについては、D岸壁の事業採択に向けて国と協議を行っているところであるが、国においては、震災復興や国際コンテナ戦略港湾である京浜港、阪神港の整備が優先されていることなどから、27年度の事業採択は見送られている状況にある。博多港が今後も本市のみならず九州・西日本の経済を支える役割を果たしていくためには、コンテナターミナルの充実強化は不可欠であることから、Dコンテナターミナルの整備の重要性、緊急性を国に理解してもらいながら、D岸壁の早期事業採択に向けてしっかりと取り組んでいく。

博多港は九州輸出入コンテナの半数以上を取り扱うなど、九州の経済活動を支える重要な港となっている。アジアに近い地理的優位性から、国際海上コンテナ取扱個数が平成26年には約91万TEUと過去最高を更新しており、また、国際物流拠点づくりを推進しているコンテナターミナルの背後では、新青果市場を初め大型物流倉庫の立地が進んでいることからも、今後も確実にコンテナ貨物取扱数が増加すると思われる。その受け皿としてアイランドシティのDコンテナターミナルの早期整備は不可欠であるため、スピード感を持ってしっかり取り組むよう要望する。博多港の人流について、平成26年の外航クルーズ船の寄港回数及び外航クルーズ客数はどのようになっているか。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

港湾局長

博多港における平成26年の外航クルーズ船の寄港回数については99回、クルーズ客数については約21万人となっている。

多くのクルーズ客を円滑に受け入れるため、ことし5月から中央ふ頭においてクルーズセンターが本格供用されているが、センターの建物、交通広場を含め、これらの整備に係る決算額を尋ねる。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

港湾局長

クルーズセンター及び交通広場等の整備に係る26年度決算額については、6億2,467万6,000円となっている。なお、クルーズセンターについては、工期の都合から整備費を27年度に3億3,077万円繰り越しており、合計すると9億5,544万6,000円となっている。

現在までのクルーズセンターの利用状況はどのようになっているのか。また、施設整備によりクルーズ受け入れ環境はどのように改善したのか。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

港湾局長

クルーズセンターの利用状況については、ことし5月の供用開始から9月末までに約23万人のクルーズ客のほか、多くのクルーも利用している。また、クルーズセンターを整備したことにより最大20の審査ブースの設置が可能となり、これまで2時間半から3時間を要していた入国審査の時間が1時間程度短縮された。また、大規模屋内空間の確保、周辺のバス待機場整備により利便性、快適性が向上しており、さらに、これまで施設の機能不足により実現できなかった大規模な博多港発着クルーズも可能となるなど、クルーズ受け入れ環境は大幅に改善されたと考えている。

ことし、第3委員会で那覇港に調査出張に行ったが、管理組合の方から、クルーズ客はもとより、船員であるクルーの評判は、船会社が寄港地を決める際の判断材料の一つであると聞いた。本市においても、クルーズ客やクルーズ船のクルーにアンケートをとるなど、利用者の声は聞いているのか。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

港湾局長

クルーズ客やクルーの福岡に対する評価については、これまでも満足度調査やクルーズ船社、旅行代理店へのヒアリングなどを通して情報収集に努めてきた。今後さらにクルーズ客やクルーへのヒアリングやアンケートを実施するなど、利用者の声の把握に努めていく。

利用者の声を生かしていくことがクルーズの誘致や寄港の定着につながることから、しっかりと利用者の声を把握し、今後のセンターの運営に反映するよう要望する。平成26年の外航クルーズ船寄港回数は99回、クルーズ客数は約21万人とのことだが、平成25年と比べるとどう変化したのか。また、ことしと来年の寄港回数の見込みを尋ねる。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

港湾局長

平成25年の外航クルーズ船の寄港数は22回、クルーズ客数は約3万人であり、平成26年は平成25年に比べて寄港数で約4倍、乗客数で約7倍となっている。また、今後の外航クルーズ船の寄港見込みについては、ことしは実績も含め259回、来年は約400回を見込んでいる。

今の見込みが実現すれば、平成25年からわずか3年間で寄港数は実に18倍となる。観光消費の増加につながるクルーズ船の増加は本市にとって大きな成果とは言えるが、短期間での急増は新たな課題を生じさせているのではないか。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

港湾局長

クルーズ船の寄港数等の急増による新たな課題としては、クルーズ船の大型化や2隻同時寄港がふえたことなどに伴い、観光バスの台数がふえ、かつ特定の市内観光地や商業施設周辺に同じ時間帯にバスが集中することで交通渋滞が発生している。今後、関係局と連携しながら、バス駐車場の確保や交通整理員の配置、旅行代理店への強い働きかけなど、ハード、ソフト両面での対策にしっかり取り組み、早急な解決を図っていく。また、岸壁延長の不足から中央ふ頭に係留できないアジア最大級のクルーズ船クァンタム・オブ・ザ・シーズ寄港時やクルーズ船が2隻同時に寄港する場合、本来は物流岸壁である箱崎ふ頭を利用しており、物流業務に支障を来すケースも出ている。

今がクルーズ消費を取り込む好機であることは間違いないが、議会でも取り上げられたとおり、地域でのバス不足、観光バスに伴う渋滞などの課題にはしっかりと取り組みを進められたい。現在、クルーズ船が2隻同時に寄港する場合、また1隻でもアジア最大級のクルーズ船であるクァンタム・オブ・ザ・シーズが寄港した場合には中央ふ頭での着岸対応ができないため、暫定的に物流の埠頭である箱崎ふ頭に着岸させているのが実態である。国は2020年までにクルーズ100万人時代の実現に向け取り組みを進めているが、昨年、クルーズによる入国者が21万人と国内シェアの半分を担っている博多港は、アジアに近い優位性もあって、日本随一のクルーズ拠点港になると考えている。そのためには、中央ふ頭において新たなクルーズ岸壁の整備を進め、またクルーズ船の2隻同時着岸の支障となる埠頭西側のコンテナなどの物流機能を埠頭東側へと再編すべきと考えるが、中央ふ頭を将来的にどのように整備していくのか。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

港湾局長

博多港は拡大するアジアクルーズ市場を背景に、地理的優位性等を生かし、日本一のクルーズ拠点港を目指している。このため、現在改訂中の博多港港湾計画においては、中央ふ頭をクルーズ船受け入れを行う埠頭として機能強化するため、国際フェリー機能を埠頭東側に移し、埠頭西側においてクルーズ船が2隻同時着岸できる岸壁を計画している。現在、中央ふ頭における新たな旅客船対応岸壁の早期整備について国に対して働きかけているところであり、クルーズ受け入れ環境の強化に着実に取り組んでいく。

ウォーターフロントの再整備、港湾機能の再編に当たっては、しっかりと長期的なビジョンや将来像を持って取り組まれたい。現在急増中のアジアからのクルーズ船の寄港は重要であるが、一方で、国際情勢に左右されにくい博多港発着のクルーズをふやすことも大変重要と考えている。日本で海外旅行というと、その手段として飛行機が真っ先に思い浮かぶが、アジアに近い福岡・博多港においてはクルーズ船も重要な役割を担えるのではないか。博多港発着クルーズを振興することにより、市民にとっても身近なものとなるとともに、クルーズ客が市内のホテルに前後泊をしたり、クルーズ船が食料を市内で調達したりすることによる地域への経済効果がさらに得られるのではないか。クルーズ拠点港を目指すためには、施設整備が急がれるのも当然だが、発着クルーズの振興や利用者の声を反映したサービスの提供、施設運営などのソフト面の整備が非常に重要と考えるが、どうか。

議会質問

津田
信太郎

議会質問

港湾局長

クルーズ拠点港を目指すためには、ソフト面での対応も非常に重要であると考えている。博多港発着クルーズの振興については、クルーズ船社や旅行代理店に働きかけるとともに、国内需要の掘り起こしに向け、市民及び地元企業向けの船内見学会やセミナーを積極的に実施していく。また、中央ふ頭への交通アクセス強化や情報インフラを初めとした利便機能の充実など、利用者のニーズを酌み取りながら、ハード、ソフト両面で受け入れ環境の整備を図っていく。

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津田信太郎 市政相談所

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