2016年09月14日
津田
信太郎
港湾空港局長
博多港における平成27年度の国際海上コンテナの取扱量につきましては、約87万4,000TEUで、全国第6位の取扱量でございます。以上でございます。
次に、博多港の国際海上コンテナ取扱量の過去10年の伸び率と全国の伸び率との比較についてお尋ねをいたします。
津田
信太郎
港湾空港局長
全国の統計結果が確定しております平成26年の国際海上コンテナの取扱量につきまして10年前と比較しますと、博多港においては約1.5倍となっており、長期的に見ますと右肩上がりに推移をしております。また、同期間における全国平均は約1.2倍となっておりまして、博多港の伸びは全国平均と比較して、かなり高い水準にございます。以上でございます。
ただいまの御答弁で、博多港における国際海上コンテナの取り扱いは全国と比較しても高い伸びを示しているとのことですが、これは目覚ましい経済成長を遂げているアジアに近いという他の国内主要港湾にはない独自の優位性によるものと考えられます。この優位性は変わらないわけですから、博多港の取扱量は今後も伸びていくはずであり、都市の血流である物流を担う博多港はこれからも福岡市の成長を支える重要な基盤であり続けるものと考えます。
一方で、福岡市は第3次産業の比率が高い商業のまちでございますので、日用雑貨や食品などの輸入が多く、また、産業構造の変化に伴って、全国的にも輸入コンテナの取扱量が輸出を上回る港が多いわけでありますが、そのため、輸入したコンテナを海外に戻すときに、空のコンテナも多くなります。港において貨物を安定的に取り扱っていくためには、輸出貨物もふやして、輸出入のバランスを一定程度保つ必要があると思います。そのためには、北部九州の基幹産業である自動車関連産業のタイヤ部品などの貨物を引き続き安定的に取り扱うことが重要であると考えます。また、農林水産業の輸出力強化という政府の方針を追い風に、本年2月にオープンいたしました新青果市場ベジフルスタジアムを拠点として、アジアに向けた地理的優位性のある博多港を活用した青果物などの輸出拡大にも地道に取り組む必要があると思います。先日、私は釜山港を視察してまいりましたが、コンテナ取扱量が世界で6番目の巨大港湾であるにもかかわらず、官民一体となって航路誘致などの地道な取り組みを継続されており、大変参考になりました。
そこで、博多港において、現在、航路誘致や集荷についてどのような取り組みを行っておられるのか、お尋ねをいたします。
津田
信太郎
港湾空港局長
国内外における荷主企業や船会社、物流事業者などへの訪問や、東京や大阪、東南アジア、中国における博多港振興セミナーの開催など、さまざまな機会におきまして博多港のセールスポイントであるアジアとの近接性や多様な輸送モードが集積するメリット、先進的なITやエコなどの取り組みについて積極的にアピールを行っております。また、平成27年度からは新たな集荷活動の一つといたしまして、博多港コンテナ物流トライアル実証調査を開始するなど、さまざまな工夫を行いながら戦略的に航路誘致や集荷活動に取り組んでいるところでございます。以上でございます。
ただいまの御答弁で、新しい取り組みとして、博多港コンテナ物流トライアル実証調査を始められたとのことでございます。
そこで、博多港コンテナ物流トライアル実証調査の内容と成果についてお尋ねをいたします。
津田
信太郎
港湾空港局長
博多港コンテナ物流トライアル実証調査につきましては、博多港の利用を御検討いただいている荷主企業や物流事業者に博多港を試験的に利用していただくものでございます。その目的は、試験的にトライアル輸送を行う企業に博多港利用のメリットを実感していただくことで継続利用につなげ、国際海上コンテナの取扱量の増加を図ることに加え、トライアル輸送の結果を博多港利用の新たなモデルケースとして他の荷主企業や物流事業者への提案に活用することとしております。平成27年度は6件のトライアル輸送を実施し、輸送に係るコストの削減や時間短縮などの効果が確認できた5件の輸送について継続利用が見込まれることとなりました。また、同調査で得られた博多港の優位性について、博多港振興セミナーや関連企業への営業活動などにおいて積極的にPRを行っているところでございます。
それから、一番最初の御質問、博多港における平成27年の国際海上コンテナの取扱量の答弁で、私、平成27年度の国際海上コンテナの取扱量というふうにお答えしてしまいましたが、平成27年のコンテナ取扱量の間違いです。申しわけございません。訂正をさせていただきます。
新たな事業にもチャレンジするなど、しっかりとポートセールスに取り組んでおられるようですので、今後もさまざまな工夫をしながら、民間事業者とも連携をして、博多港の管理者として主体的かつ積極的に航路誘致や集荷に取り組んでいただけるようお願いをいたします。
さて、冒頭の御答弁のとおり、国際海上コンテナの取扱量は約90万TEUまで達しており、いよいよ100万TEUも視界に入ってきたものと思われます。現在、コンテナターミナルは香椎パークポートとアイランドシティに2バースずつ、計4バースありますが、100万TEUに近づいている状況を勘案いたしますと、今後さらに取扱量をふやすためには、ソフト面の活動はもちろん大事ですが、ハード面の整備も重要であると考えます。
そこで、コンテナターミナルの現在の運用状況と整備状況についてお尋ねをいたします。
津田
信太郎
港湾空港局長
コンテナターミナルの運用状況につきましては、物流ITシステムの機能強化などに取り組み、ターミナル作業の効率化を図っているところでございますが、既存のコンテナターミナルは既に満杯近い状況にあると認識をしております。整備状況につきましては、現在、奥行き350メートルで供用しておりますアイランドシティC2コンテナターミナルビルの奥行きを500メートルに拡張する整備を進めており、平成28年度末を目途に整備を完了する予定にしております。これによって混雑の緩和が図られる見込みでございます。以上でございます。
コンテナターミナルの混雑緩和が期待できるということで、喜ばしいことでございます。我が国において人口の減少に伴う国内市場の縮小が懸念されておりますが、一方で、アジアに目を向けますと、目覚ましい経済発展に伴って、近年、アジアの物流は飛躍的に拡大をしているようであります。また、今後、TPPを初めとする貿易の自由化や海外との経済連携が進展すれば、ますます輸出入の増加が後押しされ、国際間での競争もより一層激しくなるものと予想されます。このような時代に入っていくに当たり、今後も我が国が持続的に成長していくためには、アジアの成長をしっかりと取り込んでいく必要があると考えております。福岡、九州にアジアの成長をさらに取り込むことができれば、博多港の取扱量はもっとふえていくと予想されますが、経済動向に期待するだけではなく、福岡市としても取扱量の増加に向けて積極的な取り組みを進めていく必要があると思います。そのためには、貨物量の増加に対応できるよう、アイランドシティのDコンテナターミナルの整備にも早急に着手すべきと考えます。
そこで、アイランドシティD岸壁の事業採択に向けた取り組みについてお尋ねをいたします。
津田
信太郎
港湾空港局長
アイランドシティD岸壁につきましては、国の直轄事業となることから、事業採択に向けて国と協議を進めております。コンテナターミナルの機能強化を図るには、アイランドシティD岸壁の整備は必要不可欠であるため、国に対しまして最重点事項として提言活動を行っているところでございます。今後も引き続き国に対して、さまざまな機会を捉えて提言活動を行うなど、早期事業採択に向けて取り組んでまいります。以上でございます。
海を隔てた至近距離にあるアジアが大きく成長しているという博多港のポテンシャルを考えれば、港湾施設の充実強化も非常に重要と考えますので、今後とも、国への要望などについてはしっかりと頑張っていただきたいと思います。
最後に、博多港の物流拡大に向けた取り組みや展望についての市長のお考えをお尋ねいたしまして、この質問を終わりたいと思います。
津田
信太郎
市長
博多港は九州全体の市民生活や経済活動を支える重要な役割を担っており、発展するアジアの活力を取り込みながら、ますます拠点性が高まっているところでございます。このため、国内主要港の中でアジアに最も近い博多港の地理的な優位性や陸、海、空の輸送拠点がコンパクトに集積する交通利便性を生かしますとともに、物流ITシステムのさらなる拡充など、これからも積極的かつ戦略的に航路の誘致や集荷活動などに取り組んでまいります。また、ことしの3月におおむね10年後を目標とする港湾計画を改定したところでありまして、これを契機といたしまして、博多港の次のステージに向けた第一歩として、新たなコンテナターミナルや自動車専用道路の整備などにしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
今後とも、福岡、九州、ひいては我が国の成長を牽引すべく、ソフト、ハード両面から活力と存在感に満ちた日本の対アジア拠点港を目指してまいります。以上です。
福岡市は古くから海外との窓口であり、大陸との交流によって栄えてまいりました。その海の玄関である博多港は、今日に至るまで福岡市の繁栄の過程において福岡市民の生活や経済活動を支える重要な役割を果たしてまいりました。最近では大型クルーズ船の寄港が急増しており、全国的にも注目を集めております。その一方で、博多港では日常的に食料や建設資材、自動車など、生活や産業に密着したさまざまな貨物が数多く取り扱われており、市民生活や経済活動を物流が背骨となって支えております。また、博多港を通じて創出される経済波及効果や雇用創出効果は福岡市全体の約3割に相当する規模があると伺っております。このことからも、福岡市がさらなる発展を遂げていくには、今後も博多港における貨物の取り扱いを着実にふやしていく必要があると考えております。
そこでまず、博多港における平成27年の国際海上コンテナ取扱量と全国での順位についてお尋ねをいたします。