2017年12月14日
津田
信太郎
農林水産局長
福岡市では、中央卸売市場として国の認可を受け、中央区長浜に鮮魚市場、東区のアイランドシティに青果市場、東区東浜に食肉市場を開設しております。以上でございます。
それでは、各市場の歴史と特色についてお尋ねをいたします。
津田
信太郎
農林水産局長
各市場の歴史と特色について、市場ごとに順にお答えいたします。
まず、鮮魚市場でございますが、昭和30年に市中心部の中央区長浜に開設され、消費地市場としての性格を持ちながら、博多漁港を有する産地市場としての機能もあわせ持ち、九州を中心に、新鮮な魚が集まり、年間で約300種類の豊富な魚介類を取り扱う全国有数の市場となっております。
続いて、青果市場でございます。昭和35年に鮮魚市場と同じく中央区長浜に開設され、昭和43年に博多区那珂へと移転した後、昭和49年に西部市場、続いて、昭和57年に東部市場が開設され、以降、3市場体制で運営をしてまいりました。平成28年には現在のアイランドシティに3市場を統合、移転して新たにベジフルスタジアムとして開場し、全国最大級の規模となる低温卸売場を整備するなど、高度の品質管理に対応した市場となっております。
最後に、食肉市場でございますが、昭和34年に東区箱崎に開設された後、平成12年に東区東浜へ移転をいたしました。衛生面に配慮し、設備を同じフロア内に一直線に配置したワンフロア・ワンウェイ方式の生産ラインと食品の製造または加工における衛生管理の手法であるHACCPの方式を導入し、加えて、平成28年には食品安全マネジメントシステムに関する国際規格であるISO22000を認証取得するなど、衛生的な食肉処理システムを備えた市場となってございます。以上でございます。
ただいま各市場の歴史と特色について答弁をいただきましたが、それでは、鮮魚、青果、食肉市場の取扱数量と金額について、過去20年前、10年前、そして、現在の状況についてお尋ねをいたします。
津田
信太郎
農林水産局長
各市場の取扱数量と金額について、20年前の平成8年度、10年前の平成18年度、そして、現在の状況として平成28年度の実績を申し上げます。
まず、鮮魚市場は、20年前の取扱数量が23万3,000トン、取扱金額が1,097億円、10年前の取扱数量が13万1,000トン、取扱金額が722億円、平成28年度の取扱数量が7万トン、取扱金額が455億円となっております。
次に、青果市場は、20年前の取扱数量が27万2,000トン、取扱金額が606億円、10年前の取扱数量が29万5,000トン、取扱金額が555億円、平成28年度の取扱数量が34万2,000トン、取扱金額が742億円となっております。
最後に、食肉市場は、20年前の取扱数量が2万トン、取扱金額が155億円、10年前の取扱数量が1万6,000トン、取扱金額が154億円、平成28年度の取扱数量が2万2,000トン、取扱金額が244億円となっております。以上でございます。
それでは、全国のほかの中央卸売市場と取扱品目や市場の立地などを比較した場合、福岡市の各市場の特徴についてお答えください。
津田
信太郎
農林水産局長
全国の他の中央卸売市場と比較した場合の福岡市の各市場の特徴についてお答えをいたします。
まず、鮮魚市場でございますが、取扱数量の約9割弱を生の魚介類、生鮮水産物が占めておりまして、これは全国平均である5割弱を大きく上回った数値となっており、新鮮な魚介類を多く取り扱っている点が特徴となっております。
次に、青果市場でございますが、全国的に卸売市場における青果物の取扱数量が減少傾向にある中、福岡市を中心とした九州最大の大消費地を抱え、福岡県を初めとした九州有数の青果物産地を周辺に控えた立地の優位性を生かし、着実に取扱数量を伸ばしております。
最後に、食肉市場でございますが、一大生産地である九州から多くの肉用牛や豚が集荷されており、高価格で取引される黒毛和種等の和牛が牛の取扱量の60%を超え、地元ブランドである博多和牛を初めとした九州各県のブランド牛を多く取り扱っております。以上でございます。
福岡市の卸売市場は、全国のほかの市場にはない特徴があるということがよくわかりました。鮮魚市場は福岡や九州近海で水揚げされる新鮮で豊富な魚介類が集まり、魚がおいしいまち福岡を支える重要な施設となっております。また、青果市場、ベジフルスタジアムは福岡市内や福岡県内だけではなく、九州、そして全国から新鮮な青果物を集荷し、市民に供給する重要な役割を果たしております。さらに、食肉市場においても、我が国における代表的な産地となっている九州各地から本市の消費者のもとへ良質の食肉が届けられています。また、卸売市場は市民の働く場としての側面もあります。
そこで、各市場で働いている人の数はどれくらいいるのか、お尋ねいたします。
津田
信太郎
農林水産局長
各市場で働く人の数についてでございますが、鮮魚市場は、卸売業者、仲卸業者、関連事業者で約1,500人、売買参加者及び買い出し人まで含めますと推定3,700人となっております。青果市場は、卸売業者、仲卸業者、関連事業者で約1,500人、売買参加者及び買い出し人まで含めますと推定2,800人となっております。食肉市場は、卸売業者、関連事業者で約260人、売買参加者までを含めますと約660人となっております。以上でございます。
福岡市の卸売市場は市民に対して日常的に必要な生鮮食料品を安定して供給するという公的な機能を果たしておりますが、そればかりではなく、本市における食のブランド形成にも貢献をし、さらには約7,000名以上の方々が日々市場に関係した業務に従事をしていらっしゃるという雇用創出の場としても極めて重要な施設であるとわかりました。
それでは次に、福岡市の卸売市場が抱える課題について取り上げていきたいと思います。
まず、卸売市場制度について確認をしていきたいと思います。
卸売市場が設置されている目的とその役割はどのようなものか、お尋ねをいたします。
津田
信太郎
農林水産局長
卸売市場が設置されている目的と役割についてでございますが、卸売市場とは、卸売市場法に基づき生鮮食料品等の卸売のために開設される市場であり、取引の適正化と生産及び流通の円滑化を図り、市民へ安全、安心な生鮮食料品を安定的に供給することを目的としております。以上でございます。
それでは、中央卸売市場と地方卸売市場の違いについてお尋ねをいたします。
津田
信太郎
農林水産局長
中央卸売市場と地方卸売市場との違いでございますが、中央卸売市場は流通及び消費の上で特に重要な都市において卸売の中核拠点となるとともに、広域にわたる流通に資するものとして農林水産大臣の認可を受け、地方自治体により開設されるものでございます。開設者となることができるのは、都道府県及び人口20万人以上の市で、国が中央卸売市場を開設することが必要であると認めた地域を管轄する地方自治体に限られております。また、中央卸売市場では、生産者から販売委託の申し込みがあった場合に、卸売業者は原則として受託を拒否できない、卸売業者は仲卸業者または売買参加者以外に販売ができない、仲卸業者は卸売業者以外からの買い入れができないなど、地方卸売市場と比べ、多くの取引規制が設けられております。以上でございます。
ただいまの答弁で、卸売市場がどのような目的で設置され、どのような役割を果たしているのか、とりわけ福岡市に設置されている中央卸売市場というものが制度的にも重要なものであるということがわかりました。では、市民との関係はどのようになっているのでしょうか。
卸売市場と市民とのかかわりはどのようなものなのか、お尋ねをいたします。
津田
信太郎
農林水産局長
本市の卸売市場は、福岡市内からだけでなく、九州や全国の産地から多種多様な農水産物が集まり、朝早くから取引がされております。このため、市内の販売店では、その日の午前中には豊富な品ぞろえで食材が店頭に並べられ、市民や観光客は新鮮で豊富な食材を使ったおいしい料理を楽しむことができます。このことから、本市における卸売市場とは、単に生鮮食料品を安定的に供給するという機能を超えて、市民の食生活に豊かさをもたらしているものと考えられます。以上でございます。
また、卸売市場における本市の役割はどのようなものなのか、福岡市は中央卸売市場の開設者ということになりますが、開設者の役割は何なのか、お尋ねをいたします。
津田
信太郎
農林水産局長
中央卸売市場における開設者の役割は、単に市場施設を整備するだけではなく、市場がその機能を十分に発揮し、市民への安全、安心な生鮮食料品の安定供給の役割を果たすことができるよう、市場施設を統一的かつ計画的に管理運営するとともに、市場における取引につきましても、公正かつ効率的に行われるよう管理監督を行うことでございます。以上でございます。
福岡の食が国内外から高い評価を受けていることについては、市民の皆さんも感じておられると思いますが、その大きな理由の一つとして、本市の卸売市場が産地と直結した大消費地の市場として機能しているからなのではないかと思います。また、卸売市場の開設者として、本市の役割については、公的な社会基盤として極めて重要であることがよくわかりました。このように市民生活にとって重要な役割を持つ卸売市場でありますが、現在、卸売市場制度の抜本的な見直しが国によって進められております。
そこでまず、国が制度見直しを進めている動きについてお尋ねをいたします。
津田
信太郎
農林水産局長
国が制度見直しを進めている動きについて、順を追って御説明をさせていただきます。
国がTPP協定の発効を見据え、農業の生産性を高め、生産者の所得をふやすための取り組みを進めてきた中、平成28年10月に国の未来投資会議と規制改革推進会議の合同会議が開催され、その意見取りまとめの中で、卸売市場法に基づく時代おくれの規制は廃止すると明記されました。これを契機として、国において卸売市場法の改正に向けた動きが始まり、平成28年11月に決定された農業競争力強化プログラムでは、卸売市場法を抜本的に見直し、合理的理由のなくなっている規制は廃止するとの考えが示されました。今年度に入りまして、平成29年6月に閣議決定された規制改革実施計画において、卸売市場法の見直しについては、平成29年末までに具体的結論を得て、所要の法令、運用等を改める旨が特記され、11月24日、規制改革推進会議により卸売市場を含めた流通構造の改革を推進するための提言が公表され、続いて、12月8日、政府は農林水産業・地域の活性化創造プランを改訂し、卸売市場を含めた流通構造の改革について公表し、卸売市場法の改正についての方針を示しております。以上でございます。
制度の見直しの流れについて御説明をいただきましたが、それでは、現行の卸売市場法についてどういった点が課題であるとされ、制度の見直しが進められてきたのかをお尋ねいたします。
津田
信太郎
農林水産局長
現行の卸売市場法の課題について、規制改革推進会議の提言によりますと、卸売市場は生鮮食料品の流通における基幹的インフラとして機能を発揮してきたが、近年の食品流通を取り巻く情勢は大きくさま変わりし、国内最終消費における加工食品の割合の上昇や生鮮食料品の流通の割合の低下のほか、直売所やネット販売などの多様な販売経路を通じて農水産物が流通するなど、卸売市場は生産者にとって一つの選択肢として相対化されていると記載されております。また、卸売市場自体についても、変化するニーズに応えるために、取引規制に多くの例外規定が設けられているほか、市場内業者についても、子会社等を通じた市場外の多様な流通経路の創出や小売店経営へかかわるなど、制度上期待されている役割とは異なる機能を有する状況となっていると指摘されています。その他、長距離運送や多頻度納入等のドライバーへの負荷を縮減する流通の効率化も喫緊の課題とされており、これらの課題を踏まえ、国において制度見直しが進められてきたものと聞いております。以上でございます。
国は12月8日に卸売市場を含めた食品流通構造の改革について公表したとのことでありますが、国は市場の規制を撤廃して、市場をどのような仕組みにしていこうとしているのか、お示しください。
津田
信太郎
農林水産局長
国はこれまでの食品流通の中で卸売市場が果たしてきた生鮮食料品の集荷や分荷、価格形成等の調整機能は重要であり、今後も食品流通の核として堅持するべきとしております。一方で、生産者の所得向上や消費者ニーズへの対応のためには、卸売市場を含めて、新たな需要の開拓や付加価値の向上につながる食品流通構造を確立していくことが重要であるというふうにしております。以上でございます。
それでは、開設者として、本市は国の動きについてどのように考えているのか、お答えください。
津田
信太郎
農林水産局長
卸売市場の見直しにつきましては、国から一定の方向性が示されたところではございますが、今後、国会への改正法案の上程等により改正の内容がより詳細に具体化されていくものと思われますので、国の動きを注視しながら、開設者として今後の対応について検討していきたいと考えております。以上でございます。
よろしくお願いします。
現段階では、見直しの内容の詳細についてはまだ不明な点も多いようですので、卸売市場法の見直しにつきましては、詳細な内容が明らかになりましたら改めて取り上げていきたいと思います。
次に、市場の活性化についてお尋ねをしていきます。
市場の活性化の取り組みの中でも、市民が卸売市場に親しむ機会をつくることは極めて重要であると考えます。
そこで、本市の卸売市場の活性化に向け、各市場が市民に親しまれるために行っている取り組みについてお尋ねをいたします。
津田
信太郎
農林水産局長
各市場の取り組みについてお答えいたします。
鮮魚市場では、魚食普及と市場への理解促進を図るため、毎月第2土曜日に鮮魚市場市民感謝デーを開催し、また、ベジフルスタジアムでは、青果物の消費拡大と市場機能の理解促進を図るため、毎月第3土曜日にベジフル感謝祭を開催しております。いずれもふだんは市民が生鮮食料品を直接購入することができない卸売市場において、新鮮な水産物や青果物を直接販売しており、多くの市民でにぎわっております。食肉市場では、市場の機能紹介や九州産ブランド肉のPRのため、毎年11月、市役所西側ふれあい広場において、九州産ブランド食肉フェスタを開催しており、九州産ブランド肉の試食や販売を行っております。以上でございます。
鮮魚市場市民感謝デー、ベジフル感謝祭、食肉フェスタの開催について御答弁をいただきましたが、それぞれの取り組みに関する実績や成果についてお答えください。
津田
信太郎
農林水産局長
鮮魚市場市民感謝デーにつきましては、平成28年度は12回開催し、来場者数は11万8,000人、29年度は11月末の時点で8回開催しておりまして、来場者数8万人となっております。新鮮で豊富な魚介類の販売やマグロの解体ショーなどのイベントを通じまして、毎回約1万人の来場者に対し、魚食普及を行っております。
ベジフル感謝祭につきましては、平成28年度は11回開催し、来場者数は1万2,000人、29年度は11月末の時点で8回開催し、来場者数は9,800人となっております。新鮮で旬な青果物の試食販売や料理教室、子ども向けのイベントなどを通じて、市場の機能や魅力を知ってもらうとともに、青果物の消費拡大にもつながっていると考えております。
九州産ブランド食肉フェスタにつきましては、年1回開催し、平成28年度、29年度ともに来場者数1万3,000人となっております。生産者によるブランド肉の紹介や肉の重量当てクイズなどのイベントを通じて、九州産ブランド肉のPRにつながっているものと考えております。以上でございます。
それでは、それぞれの取り組みに関する課題についてもお答えください。
津田
信太郎
農林水産局長
鮮魚市場市民感謝デーにつきましては、来場者数が横ばいであるため、さらに多くの方に来ていただけるような取り組みが必要であると考えております。ベジフル感謝祭については、開始から1年以上を経過し、徐々に市民に定着している段階であり、さらなるPRやイベント内容の充実などが必要と考えております。九州産ブランド食肉フェスタにつきましては、大規模なイベントのため、年1回のみの開催となっており、市民向けのPRの機会をふやす取り組みが必要であると考えております。以上でございます。
鮮魚、青果、食肉の各市場ともに、来場者をさらに増加させるための取り組みや市民へのさらなる周知が課題であるとのことであります。これらの取り組みについて今後どうするのか、お尋ねをいたします。
津田
信太郎
農林水産局長
鮮魚市場市民感謝デー、ベジフル感謝祭につきましては、チラシやポスターの配布、ホームページによる広報、テレビ番組や情報誌といったメディアを通じた広報などをさらに拡充することを検討してまいります。
食肉市場につきましても、九州産ブランド食肉フェスタ以外にも福岡市食肉市場で処理された食肉の安全性や魅力のPRにつながる取り組みについて検討してまいります。以上でございます。
ベジフル感謝祭や鮮魚市場市民感謝デー、また、食肉市場の取り組み、いずれにいたしましても、市民により市場を身近に感じてもらうことが重要であると考えます。市民の卸売市場への理解がますます深まることによって、生鮮食料品の需要の拡大にもつながっていくと思いますので、さらなる内容の充実、そして、積極的なPRに努めていただきたいと思います。
そして、特に魚食普及については、さらに市民に浸透していくような具体的な取り組みも必要であると考えております。先ほどの答弁にもありましたように、鮮魚市場については、市民感謝デーの来場者が年間10万人を超え、大変な人気でありますが、市場の取扱数量は減少している状況にあります。市場活性化のためには消費の拡大が急務であり、特に子どものころから地元でとれたおいしい魚になれ親しむといった取り組みが求められていると思います。私はこれまで地産地消の観点からも、福岡でとれた魚を福岡の子どもたちに学校給食で提供すべきであると求めてまいりましたが、これまで実現をしておりません。その点について幾つかお尋ねをいたします。
まず、福岡市内産の魚がこれまで学校給食でなかなか提供できていない主な理由は何でしょうか。
津田
信太郎
教育長
学校給食で福岡市内産の魚が提供できていない理由ですが、学校給食の1日の食数が小学校で約8万食、中学校及び特別支援学校で約4万食と非常に多く、同じ種類で同程度の大きさの魚を確保することが難しいことや、加工施設の不足、価格面で折り合いがつかないことなどが主な理由でございます。以上です。
魚は栄養豊富で、福岡でとれた魚を福岡の子どもたちが食べてくれることは漁業関係者の励みにもなりますし、ぜひ実現すべきと考えますが、現在どのような取り組みを進めておられるのでしょうか。
津田
信太郎
教育長
福岡市内産の魚の提供につきましては、教育委員会、食材を調達する学校給食公社、福岡市漁業協同組合、仲卸組合の4者で学校給食に必要な漁獲量が見込める魚種の選定や、鮮度を保つための加工や保存方法など安全性の検討、さらにおいしく食べやすい状態で児童生徒に提供するための調理方法の研究などを重ねております。以上です。
具体的な検討を進めていただいているようですが、実際に実現する見込みはいかがでしょうか。また、現在、福岡市漁業協同組合では砂ゼロアサリなどの先進的な取り組みも進めております。まだ供給量の課題などもありますが、これらも含め、福岡市内産の魚介類の学校給食での提供についてぜひ進めていただきたいと思いますが、御所見をお伺いします。
津田
信太郎
教育長
これまで大きさや漁獲量などが学校給食に適しているブリ、サバ、サワラなどを候補に調整してまいりましたが、ブリについて必要量が確保できる見込みとなったため、中学校及び特別支援学校において、平成30年1月に正月にちなんだ献立として、福岡産ブリの照り焼きを雑煮や黒豆と一緒に提供したいと考えております。地元で水揚げされた魚を地産地消として提供することに加え、雑煮などと一緒に郷土料理として提供することで、児童生徒に、より身近に地元の豊かな自然の恵みを実感させるとともに、魚のおいしさや栄養についてしっかりと教育してまいります。また、今後も地産地消の推進のため、ブリ以外の魚介類についても、学校給食での提供について検討を進めてまいります。以上です。
ありがとうございます。生産者、市場関係者にとって大きな励みになると思います。また、ぜひ福岡の子どもたちに豊かな海に開かれた福岡の食のすばらしさを伝えていただくようお願いいたします。
次に、場外市場について質問をしてまいります。
卸売市場は多種多様で豊富な生鮮食料品を取り扱いながら、鮮魚市場の市民感謝デー、ベジフル感謝祭のようなイベントを除けば、一般の消費者が直接購入することはできないとなっております。一方で、東京の築地市場や札幌の中央卸売市場などは隣接して場外市場があり、新鮮な魚介類などを食べることができる飲食店が軒を連ね、観光客でにぎわっております。
そこでまず、この場外市場とは何か、また、類似の施設として道の駅がありますが、道の駅と何が違うのか、お尋ねいたします。
津田
信太郎
農林水産局長
今のお答えに入ります前に、答弁の修正をさせていただきます。私、先ほど国における卸売市場法の制度見直しの御説明を差し上げたときに、国が平成29年12月8日に改訂したプランの名称を農林水産業・地域の活性化創造プランと申し上げましたが、活力創造プランの間違いでございます。申しわけございません。訂正をさせていただきます。
それでは、場外市場についてでございますが、明確な定義はございませんが、卸売市場法の規制を受けない市場の区域外に民間業者がみずから小売店や飲食店等を設置し、これが集積したものでございまして、各地域における歴史的な経緯等から自然発生的に形成されたものと考えられます。一方、道の駅は安全で快適な道路交通環境の提供等を目的として、原則として市町村や公的な団体が設置し、国土交通省が登録する道路施設で、直売所などの地域振興施設や商業施設のほか、休憩施設や駐車場等が一体となったものでございます。以上でございます。
それでは、福岡市内に場外市場があるのか、お尋ねいたします。
津田
信太郎
農林水産局長
他都市における場外市場と同様に、生鮮食料品を扱う小売店や飲食店等が集積したものを場外市場だといたしますと、中央区春吉にございます柳橋連合市場がそれに該当するものと考えております。以上でございます。
全国の場外市場は自然発生的に民間の小売業者が店舗を構え、集積したものだということであります。私自身も大阪の黒門市場やアメリカのサンフランシスコにあるフィッシャーマンズワーフを訪ねてみたことがありますが、それほど大規模で立派なものという印象ではないのに、観光客が集まり、その都市の個性や魅力を形成する重要な施設になっています。福岡市の場合は、せっかく他都市にない卸売市場の特性があるのですから、単にまちなかにある生鮮食料品店や飲食店の集積した市場ではない、卸売市場を経由してきたばかりの生鮮食料品を取り扱う場外市場が実現できないものでしょうか。
私自身、そのような場外市場において、観光客が福岡のおいしいものを食べることができる拠点づくりが必要ではないかと考えますが、御所見をお尋ねいたします。
津田
信太郎
農林水産局長
食に関する拠点につきましては、福岡市を訪れる観光客に福岡の豊富で新鮮な農水産物を提供する観光・集客スポットになるとともに、市民にとっても新たに購入や飲食できる選択肢がふえ、農水産物の情報を発信する消費促進の拠点となることも期待できるものと考えております。以上でございます。
観光スポットとしての魅力や消費促進の拠点として期待できるとのお答えでありましたが、それでは、福岡市として場外市場は必要であると考えているのでしょうか、お尋ねいたします。
津田
信太郎
農林水産局長
場外市場の設置につきましては、小売業者などの市場関係者への影響も考えられますことから、市場関係者の御意見を十分に伺いながら研究していきたいと思っております。以上でございます。
場外市場の実現には、小売業者などの市場関係者の理解を得ることが重要であるとのことであります。私は卸売市場で取引されたばかりの水産物や青果物などが場外市場で提供されるということが、卸売市場の取引をさらに活発にしていく上で必要不可欠ではないかと考えます。引き続き実現に向けて前向きに取り組んでいただきますよう強く要望をしておきます。
最後に、今後の卸売市場のあり方について考えていきたいと思います。
私は昨年2月に開場しましたベジフルスタジアムが今後我が国の卸売市場のあり方を考えていく上で大変重要な施設となるのではないかと考えております。
そこで、ベジフルスタジアムについて、全国のほかの市場にない取り組みや成果についてお答えください。
津田
信太郎
農林水産局長
ベジフルスタジアムでは、卸売場の約85%を低温卸売場として整備したことによるコールドチェーンの充実や、出荷前残留農薬検査の市外産への拡大など、品質管理や安全、安心への取り組みを強みとして、アジアを視野に入れた九州の青果物流拠点となることを目指しております。こうしたベジフルスタジアムの機能や安全、安心の取り組みが生産者、消費者の両面から評価された結果、全国の市場取扱高が減少する中で、平成28年度の取扱高は青果市場開設以来、最大となっております。以上でございます。
これまで卸売市場は安全で安心な生鮮食料品を安定的に供給することが求められてきましたが、今や安全、安心は常識になっています。お答えいただいたように、ベジフルスタジアムの先進的な取り組みは、まさに取扱数量や金額にもあらわれており、全国の卸売市場が目指すべきモデルであると言えるのではないでしょうか。鮮魚市場においても、現在、高度衛生管理整備事業が進められており、ISO22000を認証取得している食肉市場とあわせて、福岡市の3つの卸売市場は全国に先駆けて将来のあるべき姿を示すことができるトップランナーとなれるのではないかと思っています。
卸売市場は今、制度が抜本的に見直しをされようとされています。このような大きな状況の変化の中で、市場の活性化に向けた取り組みをさらに充実させていくべきだと考えますが、本市の御所見をお伺いして、この質問を終わります。
津田
信太郎
市長
福岡市は新鮮でおいしい食べ物の豊富さが市政に関する意識調査の中で満足している点のトップに挙げられるなど、市民の食への関心が極めて高く、また、観光客やビジネス目的などの来訪者からも食べ物のおいしさについて高い評価をいただいているところでございます。福岡市の鮮魚市場、青果市場、食肉市場の3つの中央卸売市場は、市民に安全、安心な生鮮食料品を安定的に供給するばかりではなくて、食べ物がおいしいまち福岡を支える福岡市にとって必要不可欠な公共インフラであるというふうに認識をしております。一方で、社会経済情勢の変化とともに、生産段階から流通、さらに食生活に至るまで、食を取り巻く環境も大きく変化をしております。このような中で、現在、国においては卸売市場制度の見直しが進められています。福岡市といたしましては、卸売市場の重要性を十分に踏まえながら、今後とも、卸売市場の機能を発揮し、福岡の食を支えていくために市場の活性化にしっかりと取り組んでまいります。以上です。
福岡市は約157万人の人口を擁する大都市でありながら、新鮮で豊かな農水産物に恵まれ、食べ物のおいしいまちという評価を得ているところであります。福岡市の大きな魅力の一つとなっております。平成26年9月議会において議員提案により可決いたしましたふくおかさん家のうまかもん条例は、まさに福岡市内産の新鮮で豊かな農水産物が持つ魅力をさらにPRし、生産や消費の拡大を図ろうとするものであります。また、福岡市の食の魅力は、市民ばかりではなく、日本国内はもとより、海外からも高く評価をされ、おいしい食べ物を楽しみにして福岡市に来訪する観光客も多いのではないかと思います。
このような食のまち福岡の台所の役目を果たしているのが福岡市に開設されている卸売市場であります。私はこれまでにも鮮魚市場における高度衛生管理整備事業や場外観光市場の設置に向けた取り組みなどについて議会の場で質問をしてまいりましたが、改めて本市にとって卸売市場とは何なのか、また、今後どのようにすれば活性化できるのかを考える契機として、今回、原点に立ち返り、卸売市場について順次質問をしてまいります。
最初に、福岡市にはどのような卸売市場が開設されているのか、お尋ねいたします。