2011年09月13日
津田
信太郎
農林水産局長
福岡市の沿岸漁業の漁獲量、漁獲金額、漁業就業者数、漁業者の平均年齢は、10年前と比べてどうなっているのかというお尋ねでございますが、数値につきましては、平成12年と平成22年のデータをもとに答弁させていただきます。
まず、漁獲量につきましては、平成12年が6,331トン、平成22年が5,361トンでございます。漁獲金額につきましては、平成12年が39億2,800万円、平成22年が24億5,100万円、また、漁業就業者数につきましては、平成12年が1,075人、平成22年が706人でございます。漁業就業者の平均年齢につきましては、平成12年が56.7歳、平成22年が58.3歳でございます。以上のように、福岡市の沿岸漁業の状況は、10年前と比較しても漁獲量、金額、漁業就業者数、いずれも減少しており、また、高齢化も進んでいることから、厳しい状況にあると認識をいたしております。
次に、水産物の消費動向についてでございますが、福岡市における年間1人当たりの魚介類の支出額につきましては、平成12年が3万500円、平成22年が2万4,400円でございます。また、年間の1世帯当たりの食料支出額全体に占める魚介類の支出額の割合につきましても、平成12年の11%から、平成22年の9.1%と、いずれも減少傾向にございます。
また、国内における世帯主年齢別の年間1人当たりの魚介類の支出額についてでございますが、60歳以上の世代の魚介類の支出額が4万1,200円、30歳未満の世代は8,200円となっており、若い年齢層の魚介類の購入が少ないという状況でございます。
次に、水産物の消費拡大の取り組みの現状についてでございますが、福岡市では毎年、鮮魚、青果、食肉の3市場の関係者や農業協同組合、漁業協同組合などと協同いたしまして、生産者と市民との交流を図る、福岡市農林水産まつりを開催いたしております。また、地元の新鮮な魚介類を利用し、中学校の家庭科授業において、魚のさばき方を取り入れたお魚調理教室などを実施するとともに、生産者と連携して、朝市、夕市などの直販事業や、漁業を市民の皆様に理解してもらうための漁業体験事業などに取り組んでおります。また、鮮魚市場におきましても、福岡市と市場関係者で福岡魚食普及推進協議会を組織し、おさかな料理教室や小学生以下を対象とした、おさかな大賞絵画コンテストを行っております。さらに、平成20年7月からは、市民の皆様に鮮魚市場を身近に感じていただき、また、魚介類の新鮮さや魚種の豊富さを実感していただくため、毎月第2土曜日を市民感謝デーとして、市民の皆様へ市場の一部を開放し、マグロの解体ショーや魚のさばき方の実演などのイベントを開催するとともに、新鮮な魚介類の販売を実施するなど、水産物の消費拡大に積極的に取り組んでおるところでございます。以上でございます。
本市の水産業は大変厳しい状況にある中、また、若者世代の魚離れが進行している中にあって、市が行っている魚の消費拡大の取り組みについては、一定の評価ができると思います。しかしながら、魚を取り巻く環境は大変変化をしており、もう一歩踏み込んだ効果的な魚の消費拡大の取り組みが必要だと思っております。先ほどの答弁にあった、鮮魚市場で行っている市民感謝デー、また、姪浜の朝市などでは、水産物の消費拡大につながるとともに、市民が日常では感じることができない雰囲気を味わえる、非常によい取り組みだと思います。しかしながら、市民に十分に知られているとは言えない状況であり、大変もったいないことだと思っております。
市民感謝デーなどをもっとPRして、特に魚離れが進む若い世代などの集客につなげていくことが重要だと思いますが、どのようにお考えになっておるのかお聞かせください。
また、福岡市の水産物をブランド化し、知名度の向上に努めるとともに、付加価値を高めていくことも重要だと思います。既に能古のアサリ、唐泊のカキなどブランドとなっているものもありますが、こういった取り組みを行政がしっかりバックアップをし、福岡市の水産物の消費をふやしていくことが重要であると思いますが、どのように考えておられるのかお聞きいたします。
津田
信太郎
農林水産局長
まず、水産業の振興についてでございますが、まず、市民感謝デーなどのPR方法につきましては、市場関係者や漁業関係者と連携しながら、開催日ごとに案内チラシを作成し、情報プラザ、区役所、市民センターなどで配布しているほか、市のホームページや市政だよりでの御案内、また、地下鉄駅構内の電照看板などにより、市民の皆様への広報に努めております。議員御指摘の魚離れが進む若い世代の集客につきましては、インターネットなどの新しいメディアを活用した新たなPR方法や、子どもたちを対象としたイベントの企画などについて、今後しっかりと検討してまいりたいと考えております。
次に、水産物のブランド化につきましては、魚の消費を拡大していく上で、大変有効な手段であると考えておりまして、また、漁業者にとっても所得向上につながることから、福岡市としても積極的に取り組んでいるところでございます。特に唐泊のカキや志賀島のワカメは商標登録しており、インターネットや情報誌などへの宣伝広告や、その販売促進に福岡市漁業協同組合と一緒になって取り組むとともに、ブランド化を進める上で必要な生産設備や加工施設の整備について支援を行っているところでございます。今後とも、福岡市漁業協同組合や福岡県の研究機関でございます水産海洋技術センターなどとも連携し、福岡市の水産物のブランド化をより一層推進いたしますとともに、その販売強化に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
私たちの福岡市には豊かな博多湾があり、好漁場である玄界灘が広がっています。しかも、全国有数の博多漁港や水産物流の拠点である鮮魚市場があることから、大都市ながら新鮮な水産物が供給されております。このような生産基地と大消費地が共存する政令指定都市は全国的にも珍しく、福岡市の水産業の特徴であり、強みとなっております。しかし、水産業が厳しい状況のもとで、社会、経済状況も大きく変化しており、消費者のライフスタイルやニーズも多様化するとともに、若い世代を含めて魚離れが懸念されるものでございます。
魚が新鮮でおいしいまち福岡のブランドを守り、発展させていくには、本市水産業の強みを生かした、より一層の水産業の振興と魚食普及が大切だと思いますが、今後どのように取り組んでいかれるのかをお尋ねしたいと思います。
津田
信太郎
農林水産局長
まず、福岡市の水産業の振興について、今後どのように取り組んでいくのかというお尋ねでございます。
福岡市は、魚が新鮮でおいしいまちとして全国的に知られ、都市のイメージアップにもつながっております。このブランドを支えていくことは、福岡市の水産業の振興にとっても大変重要であると考えております。今後、福岡市の水産業の特色を生かした振興策を実施していくため、現在、施策の基本となる、次期5カ年を見据えた福岡市の水産業総合計画を策定しているところでございます。議員御指摘のとおり、魚が新鮮でおいしいまち福岡のブランドを守り、発展させていくためにも、今後はこの計画を踏まえ、博多湾の漁場環境の保全や、つくり育てる漁業の推進、水産物の販売力強化や魚食普及による消費の拡大などの施策を計画的、総合的に推進することにより、本市水産業の一層の振興を図ってまいります。以上でございます。
福岡市は魚が新鮮でおいしいまちとして全国的に知れ渡っており、本市の魅力の一つとして、都市のイメージアップにも貢献しているかと思います。これを支えておりますのは、水産物流通の拠点でございます福岡市鮮魚市場、それと、本市の漁業者の方々ではないでしょうか。しかしながら、近年、水産業を取り巻く状況は、漁獲量の減少や漁業者の高齢化、そして燃料の高騰、ライフスタイルの変化による消費者の魚離れなど、問題が大変深刻化している状況でございます。このままだと、魚が新鮮でおいしいまち福岡という全国ブランドがなくなっていくのではないかと危惧いたしております。本市の魅力を支える水産業を持続的に発展させ、魚の消費をふやしていくことで、都市としてのブランドを守っていき、福岡の元気につなげていく必要があると私は思っております。
そこで、まず、本市の沿岸漁業における漁獲量とその金額、並びに就業者数と就業者の年齢が10年前と比べてどのようになっているのか、お尋ねいたします。
次に、福岡市における魚の消費動向について、年間1人当たりの魚介類支出額と、1世帯当たり食料支出額に占める魚介類支出額の割合が、10年前と比べてどのようになっているのか、また、全国的に見て、30歳未満の世代と60歳以上の世代で魚介類支出額を比べた場合にどのようになっているのか、お尋ねいたします。
また、魚離れが進んでいる若い世代を含め、水産物の消費拡大を図っていく必要があると思いますが、現在どのような取り組みを行っているのか、お尋ねいたします。