2013年06月25日
津田
信太郎
教育長
まず、小学校の外国語活動における学習の狙いにつきましては、外国語を通じて言語や文化について体験的に理解を深め、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り、外国語の音声や基本的な表現になれ親しませながらコミュニケーション能力の素地を養うということでございます。また、実施時間数は5年生、6年生において、それぞれ年間35時間でございます。
次に、小学校英語に関する現在の国の動向につきましては、平成25年5月に政府の教育再生実行会議が、国際的に活躍できる人材育成などについて提言をまとめております。これを受けて、文部科学省が、小学校英語教育の教科化や開始学年の見直しなどについて検討しているところでございます。以上でございます。
先日、私が博多港に立ち寄ったときに見た出来事でございます。中国の方が、レストランの入り口のサンプルメニューを見られて注文をしようとしていました。お店の方に英語で注文をされていたのですが、お店の方は日本語で、お客さん、そこの販売機で食券を買ってくださいと言っておられました。残念ながら意思疎通ができず、クルーズ船のお客さんはお店から出ていかれました。私は、この一場面を見ただけですが、実際は、このようなことは頻繁に起きているのではないでしょうか。
私の友人も、まちで地図を持ったような外国人を見かけると、きっと観光で来た外国人で、道がわからず困っているんだろうなと思いながらも、自分の英語力に自信がなく、そのままその場を通り過ぎてしまうということを聞きました。私たちは、中学校や高校でかなりの時間を使って英語を学習してきました。しかし、外国人と英語でのコミュニケーションをとったり、さらには英語を使っての仕事などができる市民は、今のところ多くはないと思います。
福岡市は、地理的にも歴史的にも、アジアとの深いつながりの中で育ってきたまちであり、今も生き生きと発展している都市です。現在も毎年、外国から59万人の人々が観光等で訪れております。活力に満ちたアジアの交流拠点都市を目指す本市においては、アジアを初め、世界の異なる国々の人々と臆せず積極的に対話をし、さまざまな価値観を認め合い、共生していくことに当たり、外国語は重要なツールの一つです。特に英語は、国際共通語として最も中心的な役割を果たしており、英語力の向上は、本市にとって喫緊の課題ではないでしょうか。
昨年、市役所西広場で、2012ゴールデンオールディーズ・ワールドラグビーフェスティバル福岡が実施され、私もその場に参加をいたしておりました。たくさんの外国のお客様をお迎えしたのですが、そこで高島市長がすばらしい英語のスピーチをされました。その英語を聞いていらっしゃる外国のお客様たちは、とても感動されていらっしゃって、まさに国際共通語としての英語を使って直接コミュニケーションをとることで、国は違っても思いが通じ合えるということを実感した一場面でした。これこそが、高島市長がいつも言われているおもてなしではないでしょうか。
教育委員会では、世界に羽ばたき、行動する国際人の育成を目指して、コミュニケーション力、行動力、発信力の育成を推進していると聞いております。そして、その中でも特に、コミュニケーション力については英語力に重点を置き、福岡市らしい英語教育として、さまざまな取り組みをされているということです。
その福岡市らしい英語教育の取り組みとして、小学校外国語活動の授業や中学校の英語の授業において、担任の授業をサポートするために外国人等を配置し、ネイティブの生の英語に触れさせることを推進していると聞いております。その配置時間等、具体的な取り組みについて、お尋ねいたします。
また、福岡市らしい英語教育では、学校の授業以外でも他の取り組みをされていると聞いております。具体的な内容についてお尋ねいたします。
さらに、福岡市らしい英語教育の取り組みを推進されている中で、その効果についてお尋ねいたします。
津田
信太郎
教育長
まず、授業の中で、生の英語に触れさせる取り組みについてのお尋ねですが、小学校6年生では、授業をサポートする外国人などのゲストティーチャーを週1回、年間35時間全ての外国語活動の授業に配置をしております。また、小学校5年生では、年間15時間の配置ですが、モデル校としての役割を担う重点配置校9校につきましては、6年生と同様、全ての外国語活動の授業に配置をしております。中学校では、英語を母語とするネイティブスピーカーを全ての学年に週1回、年間35時間配置しており、これは英語の総授業時数の4分の1に相当いたします。
また、授業以外における福岡市らしい英語教育の取り組みにつきましては、小学生を対象として英語になれ親しませるために英語体験活動を行う特設英語村を3日間、8月に実施をいたします。また、中学生を対象として、英語の実践力を育てるために、釜山グローバルビレッジへ9泊10日で派遣するグローバルチャレンジイン釜山を8月に実施をいたします。その派遣人数は、昨年度の70人から100人にふやしております。さらに、中学生20人が福岡インターナショナルスクールへ体験入学する留学体験インモモチを12月に実施をいたします。これも昨年度の2日間から3日間に日数をふやし、より一層充実を図ってまいります。
次に、福岡市らしい英語教育の効果についてですが、授業の中でゲストティーチャーやネイティブスピーカーの生の英語に触れることで、児童生徒の意欲や関心が高まったり、英語になれ親しむようになっております。また、さまざまな英語体験活動を通して、もっとたくさんの人に自分の気持ちを伝えられるように英語を勉強していきたい、将来、英語を使った仕事について、世界の人々の役に立ちたいといった感想もあり、英語に対するモチベーションが高まった姿が見られております。以上でございます。
これまでの答弁で、教育委員会が福岡市らしい英語教育として、小学生や中学生に対して、英語への関心や意欲を高め、英語を使うことの楽しさやモチベーションを高めようとしておられ、外国人の生の英語に触れさせ、体験を通した英語教育の推進に重点を置かれていることがよくわかりました。
私は、前段でもお話ししたように、グローバル人材を育成するためには、小学校からの英語教育が重要だと思っております。道で外国人が困っている場面に出会ったら、英語で、お困りのことはありませんかと臆せず尋ねることができる小学生を育成する必要があります。現在、本市の小学生はどうでしょうか。困っている外国人に対して、英語で話しかけられる小学生はどのくらいいるのでしょうか。
外国人と積極的にコミュニケーションをとることができる小学生を育成するためには、中学校になる前の小学校の英語の授業の充実を図ることが大切だと思っております。その中で、英語でコミュニケーションをとり、英語を使うことの楽しさを小学生のころから実感させることが大切です。
さらに、小学校6年生から中学校1年生への英語の授業のギャップが起きないように配慮することが必要かと思います。すなわち、中学生になって英語への苦手意識が出ないように、小学校の6年生の後半から中学校の1年生の初期までは、小学校と中学校が指導の方法や教材などについて十分連携をとり、子どもたちが大きな段差を感じないよう、滑らかな接続を図ることが大切です。
冒頭、文部科学省が小学校英語を教科にすることという動きについて触れましたが、私はそのことに対して大賛成であります。ぜひ、英語が使える福岡市民を目指して、小学校英語教育の充実を強く要望いたします。
そこで、今後、福岡の英語教育を日本のトップレベルに向上させることを踏まえ、本市の小学校英語教育をどのように推進していくのか、市長の所見をお伺いして、私の質問を終わります。
津田
信太郎
市長
福岡市がアジアの交流拠点都市に成長していくためには、アジアや世界で挑戦、また、活躍できる国際人の育成が非常に重要であると考えています。
そのためには、教育の役割は非常に大きく、特に、小学校のころから英語に親しませること、これは大変重要であるというふうに思っております。
こうした取り組みを続けることによって、福岡市民が、福岡市を訪れた海外の方に対しても臆することなく積極的にコミュニケーションを図ることができるようにもなりますし、おもてなしの心に満ちた国際集客文化都市の実現につながるというふうに考えます。
今後も、教育委員会と連携を図りながら、福岡市の英語教育の取り組みに対して積極的に支援をしてまいります。
現在、政治、経済を初めとするさまざまな分野でグローバル化が急速に進展する中、国際共通語として英語教育が重視されていることをお聞きしております。平成23年度に文部科学省が国際共通語としての5つの提言と具体的施策を公表し、グローバル社会における英語の必要性について理解を促し、英語学習のモチベーション向上を図ることを取り上げています。このことを踏まえ、中学校では、英語の授業時数が3割増の140時間となり、また、本年度より高等学校では、英語の授業は英語で行うことを基本とするなど、英語教育の充実に向けて、ますます推進されているとのことです。
また、小学校においても、平成23年度より外国語活動が導入されたということです。私は、グローバル人材の育成のためには、小さいころから英語に触れ、英語のコミュニケーションの楽しさを実感することが大変重要だと思っております。小学校における英語教育に大きく期待しているところでございます。現在、小学校の英語は、国語や算数などのような教科ではないと聞いており、小学校5、6年生において外国語活動という名称で実施されているとのことです。
そこで、現在、小学校で実施をしている外国語活動における学習の狙い、実施時間等の現状についてお尋ねいたします。
また、最近、新聞でよく目にする記事が、小学校英語の教科化でございます。先ほども申しましたが、外国語活動ということで、教科ではないということですが、これを教科に移行するとなれば、検定教科書や学習評価、英語を指導する教員の免許や研修の問題等の検討が必要だということをお聞きしております。
さて、この小学校英語の教科化を含め、小学校英語に関する現在の国の動向をお尋ねいたします。