2019年02月15日
津田
信太郎
市民局長
南市民プールの指定管理業務における日本管財株式会社による不適切な取り扱いにつきましては、改善指示を行い、事業者から是正状況の報告書が提出され、その後、指定管理期間満了まで良好に業務を遂行しております。
また、日本管財株式会社は、現在、こども病院PFI事業の代表企業並びに南区内の市営住宅の指定管理JVの一員として維持管理業務を行っており、いずれの業務でも、所管する部署から、特段の支障なく、おおむね良好に業務を遂行していると聞いており、早良南地域交流センターの指定管理者として問題ないと考えております
日本管財グループと九州建設グループの施設の提案において、資料をもとに比較をいたしますと、駐車場への出入り口についての考え方に大きな差があります。日本管財グループは、施設の南西側の水路に橋をかけて車の出入り口を確保しているのに対し、九州建設グループは、施設の南側の幹線道路に向けて出入り口を確保いたしております。ここで憂慮されるのが、落札者側の提案する車の出入り口が、西鉄バスの営業所の出入り口とほぼ向かい合う位置関係になっていることであります。バスが営業所から出て信号待ちをしたときに、地域交流センターの利用者の車の出入りが大変困難になるケースが容易に想定できるわけであります。とりわけ地域交流センターで大きなイベントが終わった直後などは、大半の車が出口を右折して北側に向かっていくことが想定されますが、左折側にすぐにバス停があり、また、バスと信号待ちの車が数台並べば駐車場の出口が詰まってしまい、右折をしたい車も駐車場から出ることができないので、結果として渋滞が起き、ストレスが多くなってしまうのではないでしょうか。このように考えますと、次点となった九州建設グループの提案のほうが要求水準書に正しく準じており、素直な発想で入庫も出庫もしやすく、混雑は少なく済むのではないかと考えております。この点においても、落札者の提案に高評価をされていることの懸念を持たずにおれません。
そこで、お尋ねをいたします。今、私が指摘したような落札者の提案への懸念については、今後、警察や道路管理者、地域とともに、協議が必要になってくると思いますが、協議が調わない場合はどうなるのか、答弁を求めます。また、そもそも本件に関する要求水準書では、駐車場の出入り口は幹線側に面した南側とされていましたが、なぜ要求水準書と異なる内容の提案が高い評価を受け採用されたのか、経過の説明を求めます。
さて、本件に関する落札者の決定は、市民局によると昨年の11月20日でありました。その後、12月27日には九州建設グループから本市に対して任意協議の申し出があっております。市が12月20日に客観的評価の結果を市のホームページに掲載しましたが、事業者に不服等がある場合は、公表から起算して10日間の期限までに苦情の申し立てができるとされております。こうした任意協議の申し出が行われるのは極めて異例であり、わずかな金額の差だけで選考に漏れた事業者の納得のいかない心情は察するに余りあります。こうした中で、複数の企業がグループをつくって応募をすることが多い、こうした総合評価方式の事業者選定において、苦情の申し立ての期限が10日間というのは、グループ内の意見集約等にかかる時間を考慮すると余りに短過ぎるのではないでしょうか。
そこで、お尋ねをいたしますが、今回の任意協議の中で、受注できなかった事業者グループの十分な理解が得られたのかをお尋ねいたします。
津田
信太郎
市民局長
落札者が提案する車の出入り口につきましては、今後、交通管理者である警察や道路並びに水路管理者、地域等としっかりと協議を進めてまいりますが、やむを得ず変更を行う場合でも、事業者検討委員会において評価された歩行者と自動車の動線の分離や敷地南側に面した施設配置を変更することなく、提案の実現に向けて整備を進めてまいります。
次に、なぜ要求水準書と異なる提案が採用されたかについてのお尋ねでございますが、要求水準書と異なる車道橋の設置に関する提案を認めた経緯につきましては、入札公告を行った平成30年4月26日から5月17日までに実施した入札説明書等に関する第1回質問に寄せられた、安全性を十分に確保した上で、敷地南西側、敷地西側に車道橋を設け進入する提案は可能であるかとの質問に対し、関係法令や橋の設置に必要な条件等を踏まえ、敷地南西側水路への車道橋の設置は可能であるとした回答を平成30年6月7日に市ホームページ上に公表しております。
次に、任意協議に関するお尋ねでございますが、次点者グループとの任意協議におきましては、性能審査における評価方法や車道橋の設置等についての質問がなされており、それに対して丁寧に説明を行い、次点者グループの御理解を得られるよう努めております。また、苦情の申し立て手続に関する説明につきましても適切かつ丁寧に行っており、一定の御理解は得られているものと考えております。
こうした任意協議についても、十分な時間を設けたのかというと、いささか疑問であると思います。ましてや、本市のほうから任意協議を打ち切ったことも乱暴な行いのように映ったのではないかと危惧をしておるところであります。この点はしっかり検証をしていただきたいと思います。総合評価方式については、そもそも価格だけではなく、工事の品質を確保するといった重要な観点を事業者選定の評価に加味するために導入をされたものであるわけであります。その趣旨は理解いたしますが、評価の過程がわかりづらいというデメリットはこれまでも指摘をされており、また、今回のように、わずかな金額の差で落札グループよりも高い評価を得た部分も少なくない提案が退けられる結果になってみると、そもそも何のための総合評価方式なのかという疑問が生じてしまいます。とりわけ設計、施工から維持管理、運営までを一括発注するPFI方式は、受注者の裁量が極めて大きいことから、評価をする側の選定を初め、評価項目や配点、評価基準の設定、さらにはその公表の仕方に至るまで、さらなる工夫が必要になると思います。
最後にお尋ねをいたしますが、今回の件のみならず、これまでのPFI契約の実績も踏まえ、参加企業や議会の納得性を高めるために、PFIにおける総合評価方式については、必要な制度改革に取り組むべきと考えますが、PFI制度を所管する財政局に所見を伺い、質疑を終わります。
津田
信太郎
財政局長
PFI事業につきましては、事業手法の検討基準や事業者の公募、選定の考え方などを定めました官民協働事業への取組方針に基づき、円滑な事業推進を図っているところでございます。
おただしの選定過程につきましては、事業ごとにその特性を十分に踏まえ、複数の委員を選定するとともに、当該委員の意見を聞きながら、性能評価の評価項目や配点及び評価基準などを適切に設定し公表しているところでございます。福岡市早良南地域交流センター整備事業の事業者選定に当たりましても、このような過程のもと、公平、公正に手続が行われたものと認識をいたしております。しかしながら、PFI事業における事業者の公募、選定手続につきましては、不断の改善が必要だと考えており、今回のケースも含めた本市の過去の事例はもとより、他都市の事例等もあわせてしっかり調査、検討をしてまいりたいと考えております。
福岡市早良南地域交流センターに係る指定管理者の指定について及び、福岡市早良南地域交流センターに係る契約の締結について質疑をいたします。
この議案は、早良区南部の地域住民のみならず、市民にとりまして長年の悲願であった地域交流センターの整備及び維持管理等の事業者選定に当たり、事業者検討委員会における総合評価を経て選定された落札者との契約についての議会の承認を求めるものであります。本件について、事業者募集の結果、日本管財株式会社九州本部を代表とするグループと、地場の九州建設株式会社を代表とする2つのグループが応札をいたしました。これまでに市民局から示された資料によると、総合評価の性能審査においては、両グループの性能評価点が800点満点中493点で、全くの同点となっております。一方で、価格審査においては日本管財グループが42億4,700万円余り、九州建設グループが42億5,700万円余りと、日本管財グループの提案がおよそ970万円余り安かったことから、わずか0.5点の差がついております。結果として、事業者検討委員会では日本管財グループを落札者として選定したとのことであります。性能評価点が全く同点というケースは、このような大きな事業規模の案件におきまして、過去には耳にしたことがありません。わずか970万円の価格の差が明暗を分けたというのが事の次第であれば、15年間に及ぶ長期のPFI事業期間でならすと、1年間で約65万円ということになります。ところが、性能評価の中身を詳しく見ると、開館後の施設利用者にとって最も関心が高いであろう維持管理計画、運営計画の得点では、次点となった九州建設グループが、いずれも日本管財グループを上回る結果になっております。年間わずか65万円の差額で、よりよい維持管理、運営の提案を機械的に退ける結果となっております。先々に何らかの禍根を残すこととはならないかと、このことについては一抹の不安を感じずにはおれません。理事者も議員各位も御承知のとおり、落札者グループの代表者企業である日本管財は、過去に南市民プールの指定管理者に選定された際に、受託内容である定期的な衛生管理を一部で怠ったことが明らかになるなど、大きな問題を起こした経緯もあります。先ほど述べた一抹の不安も、過去にそのような問題があったからであります。
そこで、初めにお尋ねをいたします。南市民プールの指定管理における過去の問題を受けて、本市は日本管財にどのような対応をとったのか、答弁を求めます。また、あわせて、特に早良区南部にお住まいの多くの市民が待ちに待った地域拠点施設の指定管理を任せるに当たり、改善が見られたのか、所見をお尋ねいたします。