2017年06月15日
津田
信太郎
港湾空港局長
国は5月16日に、事業の内容や公募に関する手続等を定めた募集要項のほか、優先交渉権者選定基準を公表するなど、事業者選定にかかわる公募手続を進めているところでございます。
次に、再議後の国、県、市の協議状況に関するお尋ねでございますが、5月16日の募集要項等の公表を受け、5月26日に、国、県、市において事業者選定にかかわる公募手続に関する協議を行っております。
次に、事業者選定基準の配点に関するお尋ねでございますが、国によりますと、事業者選定に当たっては、民間委託を通じて福岡空港や周辺地域の活性化を図るという観点が最も重要であるが、運営権対価の配点割合は、滑走路増設にかかわる財源を確保する必要性など、財政健全化への貢献の観点から決定したと聞いております。以上でございます。
これは、最初からわかっていることでありますが、福岡空港の運営権は、必ずしも地元連合が取得できるとは限っておりません。こうした中で、運営権の対価を高く札入れすることへの評価点の割合が上がったということは、地元連合以外の大手資本系グループにとって有利に働くのではないのか、これが率直な懸念であります。
お尋ねをいたしますが、本市と余り縁のない事業者が運営権を取得したときに不都合はないのでしょうか、答弁を求めます。
今後、民間委託の議論は、完全に本市を抜きにして進んでまいります。このような状況になったことを大変に残念に思う気持ちは変わらないものの、議会には、民間委託後の空港運営に対する市民の不安を少しでも和らげるために、責任のある議論を続けていく義務があると思っています。出資する、しないの政策判断には、再議によって結論が出されました。このことを今さらどうこう言うつもりはありません。しかし、採決の結果は、市長を初め、当局にはしっかりと直視をしていただく必要があります。62人の議員のうち実に41人が、恐らく現在でも不安を持ち続けているということを忘れていただいてはいけないわけであります。我々議員は、市民を代表して議場に民意を示しています。出資をしないのであれば、しないなりに民意を安んじる策を講じるのが筋というものだし、当局の責任だと思います。今後、本市が運営権者の経営に対して本市として要望を伝えるためには、10%を出資する予定の福岡県に頼らなくてはならないのが実情ではないかと思います。
こうした観点からお尋ねをいたしますが、私が今述べたような民間委託の先行きに対する市民の不安、議会の不安を解消するために、本市としてどのように取り組むつもりなのか、答弁をいただきたいと思います。また、あわせて福岡県との連携をどのように進めていくのか、当局のお考えをお聞かせください。
再議の段階までの答弁では、福岡県との連携に向けた協議が十分ではないという印象を持っていました。特に市と県のトップ同士が、福岡空港の民間委託について協議する機会を持っていないということだったので、それも我々議会にとって大きな不安材料だったと思います。
再議後、このような福岡県との連携について、事務方レベル、トップレベルのそれぞれで、何か具体的なやりとりはあったのでしょうか、お尋ねをいたします。
津田
信太郎
港湾空港局長
福岡市は現在、事業者選定にかかわる審査委員となっておりますため、公平、公正な審査に予断を持たせるような発言は差し控えさせていただきたいと思います。いずれにしましても、福岡空港の利便性や魅力が向上するよう数多くの企業に応募いただき、すぐれた提案が選定されることを期待しております。
次に、福岡空港の民間委託の推進に向けた福岡市の取り組みに関するお尋ねでございますが、まず、委託業務の実施条件となる要求水準の策定やこれに基づく実施状況のモニタリング、法定協議会の運営など、適正な空港運営を担保する仕組みがしっかりと機能するよう、国に求めてまいります。加えて、福岡市と運営権者との間において、国の実施方針に基づく協議の場の設置、連携の方法や内容を規定した協定の締結など、福岡市独自の意見反映の仕組みづくりについて具体化の検討を進めてまいります。また、新たな制度である民間委託制度の内容や委託手続の進捗等について、議会や市民の皆様に適宜情報を提供し、周知に努めてまいりたいと思います。さらに、副市長が審査委員として参画する事業者選定プロセスにおきましては、応募者との対話を通じて、路線誘致や環境対策等に関する市の考え方や方針の周知徹底を図るなど、適正な事業者選定に役割を果たしてまいりたいと思います。
次に、福岡県との連携についてお答えいたします。
福岡市と福岡県は、福岡空港の活性化、発展を図る、こうしたことを共通の目的として、路線誘致や地元調整などに取り組んできたところであり、今後も、県と市の適切な役割分担のもと、相互に連携を図ってまいります。
次に、再議後の民間委託手続に関する福岡県との協議についてのお尋ねでございますが、トップレベルでの協議は行っておりませんが、事務レベルでは、日ごろから協議、連携をしているところであり、今後も、必要性も十分踏まえつつ、引き続き相互に連携を図ってまいります。以上でございます。
今回の福岡空港の民間委託をめぐる議論により、私は、福岡空港が、改めて市民にとって重要でかつ身近なインフラであるのか、再確認をいたしました。博多駅、博多港、福岡空港と大きな3つの玄関口がある中で、多くの人、モノ、コトが空港を拠点に本市に流入し、同時に、空港を通じて他国、他都市に出ていきます。地理的にも優位であり、高いポテンシャルを兼ね備えたハブ空港としての能力を持つ、誇るべき空港であります。また、市民生活にも身近にある空港の国内外の航空ネットワークは、私たちにとって当たり前と思っておりましたが、他県、他都市に比べ、私たちの生活に、そしてその利便性の高さは、本市の発展、成長に多大に寄与しているのです。ターミナルビルのセットバック、滑走路の二重化、運営権の民間委託など、福岡空港は目まぐるしく変化をしていく中で、利用する市民の安心の確保、本市にとって有意義な航路誘致など、今後も、私たちにとって大切な空港、さらに利便性の高い空港であるためにも、福岡市は、地元自治体、立地自治体としての責務として、国、出資をする福岡県、運営権者に対して同等な立場で発言をし、その声がしっかりと反映できる枠組みの具現化をしていただきたいと思います。
福岡空港は生き物であります。日々生まれ変わる、また、新しく生まれ変わろうとしている成長段階にあります。本市には、今回の一件で一段落と安心するのではなく、今回の結果を踏まえた上で、本市として何ができるのか、本市として何をしなくてはいけないのか、議会側としっかりと議論を深めていかなくてはならないと思います。また、議会と同様に不安を持っている周辺住民の皆さんとは、膝を合わせ、しっかり協議し、空港周辺のまちづくりは進めていくべきだと思います。今後、福岡空港が、利便性、アクセスの高さだけではなく、本市地域経済へのさらなる効果を見込め、そして、国際ハブ空港を目指し、人流、物流の拠点として確立していくよう、本腰を入れて取り組まれるよう強く要望し、私の質問を終わります。
津田
信太郎
4月13日の未明に採決が行われた再議の結果、福岡空港の民間委託後の運営について、本市が出資をもってかかわらないことが決まりました。一方でその後、5月16日には、運営権者の募集要項が公表されるなど、実施に向けた準備は着々と進められています。今回の質問では、再議後の経過やこれからの本市のスタンスについて確認をするとともに、会派の意見も申し述べたいと思っています。
そこで、まず初めに、再議が終了した4月13日以降の民間委託業者選定に向けた国の動きについて報告を求めます。また、再議後、国、県、市の協議状況はどうなっているのか、開催日時と協議内容をお尋ねいたします。
国から募集要項が示された翌日の5月17日の新聞報道によりますと、将来的に福岡空港の近隣の国管理空港が民間委託された場合に、つまりは、北九州空港が今後民間委託されたときに、福岡空港の運営権者が一括して運営に取り組むことに含みを持たせたとされています。こうなった場合は、北九州市が運営権者に出資する、しないなどの議論が出てくるのではないかと思いますし、また、もしかするとでありますが、福岡空港の運営権者に、福岡市だけが出資をせず、福岡県と北九州市が出資をするなどといういびつな状況も生じ得るかと、新たな心配も出てくると思います。また、報道によりますと、運営権者の選定に当たっての配点のうち、運営権対価への評価が占める割合が3割となるなど、先行する仙台空港、高松空港との比較でも、金銭面の評価がかなり高くなったようであります。
そこで、このような配点となった理由をどのように把握しておるのか、お尋ねをいたします。