2022年12月15日
津田
信太郎
農林水産局長
鮮魚市場の高度衛生化の取組につきましては、卸売場の閉鎖型化などを行う高度衛生管理整備事業を実施し、市場の運営を止めることのないように工事を進め、令和3年度に完了しております。また、仲卸売場につきましても、令和元年度に空調設備を導入し、衛生環境を大きく改善したところでございます。さらに、本事業に合わせて、卸売場を利用するフォークリフトなどの電動化を図るため、導入費用の一部を助成するなどの取組や、卸売場の利用ルールを定めた衛生管理マニュアルを市場関係者とともに作成し、運用をスタートさせるなど、ハード、ソフト両面で衛生管理の強化を図っております。
卸売場という市場の中核施設に関わるものであり、市場を止めることなく工事を進める上では、市場関係者の御苦労も大きかったと思います。また、施設面での大きな投資はもとより、より効果的なものとするため、運用面でのマニュアルづくりにも取り組んでこられたということで、より一層の衛生管理の向上が図られているものと思います。
そこで、高度衛生化の取組がなされていることでどのような効果が期待されるのか、お尋ねいたします。
津田
信太郎
農林水産局長
高度衛生化の効果といたしましては、ハードとソフトの両面から高度な衛生管理体制が確立されることで、市民に、より新鮮で安全、安心な水産物を供給できるようになるとともに、場内事業者にとっては取引先の拡大にもつながり、流通の活発化が期待できると考えております。
高度衛生化の取組により衛生管理の向上が図られるということで、取引先が拡大され、市場流通の活発化につながることで、長浜から供給される水産物の価値をさらに高めることができると期待をしております。また同時に、より一層安全、安心でおいしい水産物を市民に届けられるようになったことをしっかりとPRし、市民にもっと魚を食べていただくことによって、魚の消費拡大につながることが重要だと考えます。そのためには、市場ならではの強みを生かし、魚食普及の取組を進めることが肝要だと考えます。
現在、鮮魚市場で行っている魚食普及の取組としてどのようなことを行っているのか、お伺いいたします。
津田
信太郎
農林水産局長
魚食普及の取組につきましては、本市と市場関係者で組織する福岡魚食普及推進協議会において、仲卸売場を開放する市場感謝デーを実施しており、新鮮な魚の販売やマグロの解体ショーに加え、新たなイベントとして模擬競りを実施するなど内容の充実を図り、2年8か月ぶりに令和4年10月より再開したところでございます。さらに、令和2年度からは、市場の機能更新と合わせて活性化ゾーンを創出し、市場の強みによる魚食普及を通じた長浜ブランドの構築、市場活力の維持を目指し、市場関係者主体による先行事業を進めるとともに、移転後の東冷蔵庫棟の活用について検討しているところでございます。
魚食普及の取組は全国的に広がりを見せており、水産庁は今年の11月から毎月3日から7日をさかなの日と定め、全国に呼びかけをしています。鮮魚市場では福岡魚食普及推進協議会ができて10年以上活動をされており、市民感謝デーは充実を図りながら140回を数えるということで、今後ともこの取組を続けていただきたいと思います。このような中、新たな魚食普及の取組となる市場関係者主体の先行事業は、市場に直結しているという強みを余すところなく発揮できる取組であり、大きな期待を寄せるところであります。
そこで、市場関係者主体で行っている先行事業の具体的な取組の検討状況についてお尋ねいたします。
津田
信太郎
農林水産局長
先行事業の取組につきましては、令和5年度中の開業を目指し、豊富な魚種、旬の魚や調理法など魚のプロならではの情報など、市場に直結していることや市場関係者自ら運営する強みを生かし、飲食を中心に、物販やイベントなどを行う施設が検討されております。特徴的な取組といたしましては、目の前で魚を焼いているところを見られたり、自分で魚をさばいて食べられたりするなど、ライブ感やエンターテインメント性のある演出なども検討中と聞いております。市民がいつでもおいしい魚と市場の魅力を堪能できる施設となることで、魚食をより身近なものとしていけるよう、市場関係者と連携して取り組んでまいります。
先行事業については、新鮮でおいしい魚にいつでも出会える場として、市場で競り落とされたばかりの鮮魚をその場で食べられる楽しみが加わるとともに、旬の魚やこれに見合う調理法など、プロのお勧めのフレッシュな情報も得られるということであり、答弁をお聞きしながら、私自身、非常にわくわくをしております。食べ物がおいしいまち、とりわけ魚がおいしいまちと評価されている本市にとって、市場は重要な役割を担っている中、市場が市民にとって愛着が持てる身近な場となることは大きな意義があります。来年度中の開業を目指しておられるということで、私も市場関係者が整備される先行事業を心待ちにしたいと思っています。
魚食普及の効果を上げていく上で、新鮮なものを市民の皆さんにまず食べていただき、知っていただくことは、シンプルでありながらも、最もストレートに消費者に届くものであると考えます。しかしながら、一方で食を取り巻く環境の変化を捉えた新たな取組など、次につながる一手を投じていくことも重要ではないかと考えています。先ほどの答弁では、先行事業に隣接し、機能移転後の東冷蔵庫棟の建物を活用した活性化の取組について、市が中心となり検討されているということであります。
そこで、機能移転後の東冷蔵庫棟の活用について、検討状況をお尋ねいたします。
津田
信太郎
農林水産局長
申し訳ありません、先ほどの答弁で1点修正をお願いいたします。魚食普及についての答弁の際に、市民感謝デーと申し上げるべきところ、市場感謝デーと申し上げました。おわびして訂正いたします。
ただいまの御質問にお答えいたします。東冷蔵庫棟の活用につきましては、市場特有の雰囲気や高い天井高などの魅力を生かし、人を集め様々な交流を促す場にしていきたいと考えております。また、生産や流通、食生活など、食を取り巻く環境の変化を捉え、交流の場を生かし、食関連事業者がアイデアを形にするなど、食に新たな価値を付加するチャレンジ・交流拠点の形成に取り組んでまいります。
私も以前、中を拝見したことがありますが、東冷蔵庫には、まちなかにはない建物のユニークさがあります。これに加え、活気のある市場特有の雰囲気や都心部に隣接する立地のよさなど、この場所に人が集まる魅力的な拠点が生まれるポテンシャルは十分にあるかと思います。食産業は福岡市の重要な産業の一つであります。九州の農水産物は全国生産の約2割を占め、その流通拠点となる鮮魚市場では、卸売場棟や仲卸売場棟の高度衛生化や車両の電動化などのハード、ソフト両面からの衛生管理が図られ、より一層、市民に安全、安心な水産物が供給されるようになりました。今後とも市場関係者と連携しながら、鮮魚市場を中心とした新鮮なものをおいしく食べていただく魚食普及に加え、食関連事業者の様々なチャレンジを支えることで、食べ物がおいしいまち福岡のシンボルとなる場所となり、長浜から食の新しい取組が広がっていくことを大いに期待しております。
最後に、鮮魚市場の新たな魅力づくりに向けた市長の御所見をお伺いして、私の質問を終わります。
津田
信太郎
市長
鮮魚市場は、市民の日々の食卓を支えるとともに、九州を中心とした水産物の集散拠点であり、販売、加工など、食関連ビジネスともつながる重要な役割を担う社会インフラでございます。今後とも鮮魚市場の活力を維持していくため、市場関係者と連携をし、いつでもおいしい魚が食べられる魚食スポットや、食に新たな価値を付加するチャレンジ・交流拠点の形成に取り組み、福岡市の食関連ビジネスの振興にもつなげていきたいと考えております。津田議員御指摘のとおり、長浜には大きなポテンシャルがあると考えております。福岡市が将来にわたって食べ物がおいしいまちであり続けられるよう、そのポテンシャルを生かし、鮮魚市場の新たな魅力づくりにしっかりと取り組んでまいります。
先日、市が公表した市政に関する意識調査において、新鮮でおいしい食べ物の豊富さが都市環境の満足度のトップに挙げられ、多くの市民から、食べ物がおいしいまちと評価をされておりますが、その魅力を支えているのが中央卸売市場であります。その中でも長浜の鮮魚市場は、九州・西日本を中心に多種多様な魚を集め、水産物を市民に安定的に供給するという重要な役割があるとともに、漁港に併設することで、船から市場にダイレクトに水産物を届けることができる特徴を有しております。鮮魚市場が将来にわたって発展し続けるためには、この特徴や様々な取組を捉え、新鮮でおいしい魚の魅力をはじめ、品質管理や安全性について市民にPRすることが大変重要だと考えます。これまで鮮魚市場においては、安全、安心な水産物の供給を図るため、市場を運営しながら複数年にわたって卸売場の高度衛生化を行ってこられました。
そこでまず、鮮魚市場における高度衛生化の取組についてお尋ねをいたします。